国内

森喜朗元首相回顧録「そこまで言うか」と思わせるあけすけさ

 森喜朗元首相が評論家の田原総一朗と対談し、43年間にわたる政治生活の裏側を赤裸々に語った本が出た。『日本政治のウラのウラ 証言・政界50年』(講談社)だ。

 森の証言はまさに驚きと爆笑の連続である。政治家の回顧録はたくさんあるが、これほどあけすけに「そこまで言うか」と思わせた本はない。森をして「私の師匠」と言わせた田原が相手だからこそ本音の話になったのだろう。

 森は政界に入るきっかけについて「自民党石川県連のやり方がとにかく気に入らなかったわけね」「元知事とか元市長とか、元県幹部とか、そんなのばっかり出してね。政治家に対する尊敬もなく、長老の県議会議員どもが勝手なことをしていたのが、ぼくには我慢ならなかった」と打ち明けている。

 つまり、森も政治生活の原点は「反主流」の異端児だったのだ。「反主流派が世の中を変え、やがて主流派になる」という当コラムの仮説の正しさが、ここでも実証された思いがする。その森が小泉純一郎元首相について、こう語っている。

「他人のことは全く意に介さず、自分が正しいと思ったら真っすぐに行く。まさに、名前の通り『純』ですよ。傍から見て冗談かと思うようなことを平気でポンポンとやってくれる人です」

 今回の都知事選挙もそうだ。小泉が脱原発論者であるのは知れ渡っていた。だが、かつての敵である細川護熙元首相と組んで都知事選を戦うとは『週刊ポスト』1月4日発売号のスクープを読むまで夢にも思わなかった。

 今回は、あくまで小泉が細川を口説いたのであって、細川は口説かれた側というのが基本構図とみる。

 というのは、森が本で明かしたように、小泉はこうと決めたら、どんなに反対があっても突き進む。自分の政権で田中真紀子を外相にしたとき、森は「彼の上着の後ろを捕まえ」て止めたけど、小泉は振り切ってしまった。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン