芸能

俳優・綿引勝彦 歌手がいつのまにか芝居が上達する理由を解説

 TBS系の1990年代の昼ドラマ『天までとどけ』シリーズで大家族の頼れるお父さんを演じていたことから、若い世代には”良いお父さん”のイメージが強い俳優の綿引勝彦氏は、かつては悪役で活躍した。綿引が若いころに出会った先輩俳優について思い出しながら、歌手でも芝居が上手くなる人がいるのはなぜなのかについて語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづる。(文中敬称略)

 * * *
 綿引勝彦は小中高と野球に勤しんできたが、高校二年の時に腰を傷めて挫折する。そんな折、クラスメートに誘われて観た俳優座の舞台『令嬢ジュリー』に感激を受け、演劇の世界に目覚める。その時の主演は仲代達矢と栗原小巻だった。

「世の中にこんな世界があるのかと衝撃を受けましたよ。キラキラしていて。ですから、仲代さんにはずっと憧れていました。映画『鬼龍院花子の生涯』で初めて共演した時は感動しました。

 仲代さんを狙う刺客の役で立ち回りもあったんですが、僕は殺陣が苦手で。遮二無二にやった記憶があります。その必死さが画面に出ていたんじゃないでしょうか。こちらは敵役なので『あなたが好きで役者になった』なんて一言も言いませんでした。もう『負けるもんか』という想いで演じていましたね。『ここまでやっとたどり着いたか』という感慨がありました」

 二十歳の時に劇団民藝の研究生に合格したのを経て劇団員となり、役者人生が始まる。

 その後は民藝の舞台で活躍する一方、1970年代から1980年代半ばにかけては、テレビの刑事ドラマや時代劇などで強烈な悪役を数多く演じている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン