ここ数年、テレビなど既存のメディアは、ネットの幻影におびえていた部分も無きにしも非ず、でした。ネットならではの役割や実力は評価するとしても、匿名の誹謗中傷といったダメな部分が醸し出すマイナスのオーラを律儀に受け止め過ぎていた節があります。
今回の松本の発言は、ネットのノイズなんて真面目に聞く必要はない、勝手に荒れさせておいて半笑いで眺めていればいいんだという毅然とした意思表示に他なりません。本人はそんなつもりで言ったわけではないかもしれませんけど、警戒する振りをしつつ先手を打つという見事な手法で、テレビという先輩メディアの底力と貫録を見せつけました。
会社生活でも、そんな大人の先手必勝力を応用したいところ。大事な会議の前には、どうでもいいイチャモンを付けてきそうな人に「今回も、○○さんの忌憚のないご意見、楽しみにしております。思いっ切りお願いします!」と言っておきましょう。ヘタに「お手やわらかにお願いします」と言ったら無駄に張り切らせてしまいますが、こんなふうに言ったら相手はやりづらくなります。
狙っている女性とデートするときも、会った瞬間に「うわー、今日は一段とかわいいねー。酔ったら口説いちゃいそうだなー」と宣言しておけば、ここぞというタイミングで本題に入りやすくなるし、相手も心の準備ができているのでOKの確率が高くなるはず。かといって、先手先手を意識するあまり、ベッドに入った途端に「感激のあまりスピーディな展開になったらごめんね」と先に謝っておくのは、ちょっとやり過ぎですけど。