国内

美智子妃いじめの第一幕 婚約会見当時の「手袋事件」とは?

 今年4月10日、ご結婚55周年のエメラルド婚を迎えられ、10月には80才になられる皇后・美智子さまだが、皇室に嫁がれた当初、美智子さまを待ち受けていたのは、あまりにも過酷な茨の道だった。

 皇太子妃決定に際する記者会見でのこと。美智子さまはVネックに七分袖の象牙色のドレス、白い鳥羽根の輪の帽子、ミンクのストールと、初々しさにあふれる装いだった。ところがドレスに合わせた手袋が、手首とひじの中間までしか届いていなかった。

「正装であるべきこの日、手袋はひじの上まで届くものでなければならない」

 早くも宮中からクレームが入る。しかし、この手袋は美智子さまが用意したものではなく、東宮御所から届けられたものだった。わざわざ届けられたものにもかかわらず、ひじの隠れる手袋でなかったということは、何らかの意図が働いていたと思わずにはいられない話である。この“手袋事件”は、“美智子妃いじめ”の第一幕ともいうべき出来事だった。

 皇室に入られた美智子さまのお側に仕える女官長は、秩父宮勢津子さま(享年85)の母・松平信子さん(享年82)が推挙した彼女の遠縁の牧野純子さんだった。信子さんは、女子学習院のOG会である常磐会(ときわかい)の会長。常磐会は、明治以来、皇族妃、元皇族を中心にした組織で、皇室内における力は絶大なものがあった。この常磐会を中心に、平民からプリンセスになった美智子さまに対して反対運動が起きていたのだ。

「信子さんの懐刀である牧野女官長と美智子さまは早々からなじまぬ関係で、美智子さまは東宮御所にいても、肩の力を抜く暇もなかったそうです」(宮内庁関係者)

 あるとき、美智子さまが礼儀作法について、彼女に尋ねると、

「それくらいは、ご自分でお考えになってください。妃殿下になられて、もう何か月にもおなりになったのですから」

 牧野女官長の冷ややかな態度は日が経つにつれて輪をかけるようになり、美智子さまは孤独を深めていく。こうして“美智子妃いじめ”は静かにエスカレートしていった。1960年(昭和35年)2月23日、待望のお世継ぎ・浩宮徳仁親王(現皇太子さま)を出産された美智子さま。しかし、退院の際、再び非難の声が…。

 車に乗られ、浩宮さまを抱かれた美智子さまは、待ち構える報道カメラマンへの気配りで、窓を半分開けられたのだった。ところが、例によって宮中からクレームがつく。

「皇室には伝統があって、妃殿下が人前で赤ちゃんを抱かれることはない。その上、生まれたばかりの赤ちゃんをストロボにさらすとは…。第一、窓を開けて風邪をひいたらどうするのか。まったく美智子さまは、何をお考えになっているのでしょうか」

 この約半年後に行われた会見で、美智子さまが発せられたのが、次のお言葉だった。

「難しいと思うこともあるし、つらいこともあります。いつになったら慣れるのか、見当がつきません。ときには、八方ふさがりのような気持になることもあります」

 美智子さまにすれば、まさに“八方ふさがり”というご心境だったことだろう。

 常磐会の反対運動をきっかけに始まった、その後の長きにわたる“美智子妃いじめ”。しかし、美智子さまはプリンセスとしての自覚と気品を失うことなく、数え切れない誹謗、中傷に対しても一切反論されることはなかった。

※女性セブン2014年7月31日・8月7日号

関連記事

トピックス

高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン