国際情報

駐日米国人 オバマの元で働きたいと誰も言わぬと落合信彦氏

 様々な地域で国際情勢が緊迫しているが、どこも解決しそうな見通しが立っていない。各国のリーダーたちも、どこか頼りない。これまで、何人もの世界のリーダーたちへのインタビューを経験してきた作家の落合信彦氏が、現在の世界の指導者たちの頼りなさについて解説する。

 * * *
 最近、私が痛切に感じていることがある。それは、世界の指導者が軒並み劣化しているという現実だ。オバマ、安倍晋三、フランスのオランド(大統領)、イギリスのキャメロン(首相)、そして習近平。だれひとり指導者としての強さや覚悟を感じないし、直接会って取材してみたいとも思わない。

 とりわけ、オバマの無能ぶりは、イラク情勢を見れば致命的である。よく、イラクについては前ブッシュ政権の問題だといわれるが、本質はオバマ政権にある。オバマは1期目の大統領選で、2011年までに米軍をイラクから撤退させることを公約に掲げた。当時、共和党は「あまりにも早すぎる」と非難の声を上げた。国内のテロ対策が不十分で、首相のマリキが無能であることもわかっていたからだ。

 その結果はどうだろう。いまやイラクの国土の多くはISIL(Islamic State in Iraq and the Levant、ISISとも言う)に占拠され、完全な無法地帯と化している。オバマの失態はそれだけではない。シリアの内戦やロシアのウクライナ介入についても何ら手を打たず、挙げ句の果てには同盟国であるはずの韓国大統領・朴槿恵が中国の習近平に取り込まれて会談しても、一言釘を刺すことすらできないのだ。

 オバマの目線は、ただ国内の支持率にしか向いていない。「世界の警察官」の役目を果たすつもりなど毛頭なく、面倒くさい外交問題は先送りするだけだ。私のもとには、大使館関係者をはじめ日本に住む多くのアメリカ人が訪れるが、その誰ひとりとして、オバマのもとで働きたいとは言わない。すでに彼らは、この弱すぎる大統領を完全に見限っている。

 アメリカのキニピアック大学世論調査研究所が7月に発表した全米世論調査によれば、オバマは全体の33%の得票を得て、「戦後最悪の大統領」に選ばれた(2位はブッシュの28%)。とりわけイラク情勢をはじめとする外交政策に関する支持率が37%と過去最低を記録している。

※SAPIO2014年9月号

関連記事

トピックス

Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
保護者責任遺棄の疑いで北島遥生容疑者(23)と内縁の妻・エリカ容疑者(22)ら夫妻が逮捕された(Instagramより)
《市営住宅で0歳児らを7時間置き去り》「『お前のせいだろ!』と男の人の怒号が…」“首タトゥー男”北島遥生容疑者と妻・エリカ容疑者が住んでいた“恐怖の部屋”、住民が通報
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
学業との両立も重んじている秋篠宮家の長男・悠仁さま(学生提供)
「おすすめは美しい羽のリュウキュウハグロトンボです」悠仁さま、筑波大学学園祭で目撃された「ポストカード手売り姿」
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン