スポーツ

夏春連覇の甲子園優勝投手・柴田勲が打者転向決めた瞬間を語る

 1965年から1973年まで読売巨人軍が9年連続してプロ野球日本シリーズを制覇した時代を、V9時代を呼ぶ。V9メンバーとして甘いマスクと赤い手袋でファンを沸かせた柴田勲氏は、投手として1962年に巨人軍入りしたが、翌年には打者に転向した。法政大学第二高校を夏・春連覇に導いた甲子園優勝投手だったにもかかわらず、投手をあきらめた当時の思い出を、柴田氏が語った。

 * * *
<柴田氏によれば、川上哲治監督はON(王貞治、長嶋茂雄)を中心に据えて、他の選手をいかに機能させるかということを常に考えていたという。その根底にあったのが、川上の参謀・牧野茂が提唱した「ドジャース戦法」であった。今でいう「スモールベースボール」だ。>

 1番に足が速い選手を置き、2番はバントやエンドランなど細かいプレーができる野球巧者、3番はチームで最も出塁率の高いバッターを置いて4番には長打力のある主砲……まさに当時のV9のオーダーそのものですね。この川上構想において、僕は1番打者に適任だと考えられていました。

<柴田氏は、巨人入団時は投手だった。法政二高時代はエースで5番。1960年の夏、1961年春のセンバツで甲子園連覇を達成し、1962年に「甲子園優勝投手」として鳴り物入りで入団したのだ。しかし、プロでの投手としての成績は0勝2敗と振るわないまま野手に転向。左打ちに取り組み、1963年以降は俊足堅守のスイッチヒッターとしてレギュラーに定着した。>

 プロの投手としての初登板初先発は1962年、阪神との開幕カードの2戦目でした。結果は5回途中、3本のホームランを打たれて負け投手になった。すると川上さんから「お前は球が軽い。しばらく投げないでいい」と投げさせてもらえなくなりました。

 次にチャンスをもらえたのは7月の中日戦。今度は2回で6失点とさらに悪い結果でした。試合後、川上さんにロッカーに呼ばれていわれたのが、

「どうだ、これで踏ん切りがついたろう」

 という言葉でした。今でも忘れられない一言です。

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン