国内

東日本大震災から状況が一変 関東は活発な地震活動期に突入

 9月以降、関東だけで震度3以上の揺れが計6回も発生し(9月26日現在)、とくに16日の地震では栃木、群馬、埼玉など広範囲で震度5弱、都心でも震度4の強い揺れを観測した。建物の窓ガラスが割れ、屋根瓦が落ちるなどの被害が相次ぎ、9名が重軽傷を負った。

 さらに、9月27日には長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が突如として噴火。噴石や有毒ガスによる被害で多くの犠牲者が出た。

 死者・行方不明者が約2万人にのぼった東日本大震災から3年半、連続して関東を襲う地震、そして御嶽山の噴火は何を意味しているのか。

 地球は数々のプレート(岩盤)で覆われている。このプレートがゆっくりと動くことで他のプレートとの境界に歪みが生じ、エネルギーが蓄積される。歪みが限界まで達するとプレートの先端部が跳ね上がって地震が発生する。これが「海溝型地震」と呼ばれる地震発生メカニズムだ。

 東日本大震災以降、その影響でより多くの地震が発生するようになったと、武蔵野学院大学の島村英紀特任教授が解説する。

「東日本大震災クラスの巨大地震が発生するとプレートが大きく動きます。その結果、震源地付近での歪みはある程度解消されますが、隣接する他の地域との均衡が崩れます。その影響で今後、100年単位で余震が続くと考えられます」(島村特任教授)

 16日に茨城県南部で発生した地震は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界が震源となった。昔から「地震の巣」と呼ばれるほど地震の多い地域だが、東京大学名誉教授(海洋地震学)の笠原順三氏は「最近の不気味な兆候」として、震源が西に移動していると主張する。

「東日本大震災の影響で、関東の地震活動の震源地が徐々に西に移動しています。地球の内部に向かって動き続けている太平洋プレート上の震源地がそのままフィリピン海プレート側(つまり西)に移動していけば、直上にある首都圏を直撃することになります」(笠原名誉教授)

 島村特任教授はプレートの境界で生じる海溝型地震の場合、地震の規模を表すマグニチュード(M)が桁違いに大きくなると警告する。

「海溝型地震ではM8以上の大地震が発生します。現在、首都圏には3000万人以上の人が住んでおり、その直下で大地震が起きたら甚大な被害が予想されます」

 M8までいかずとも、今後、関東では大規模な地震が多発する可能性が高いと島村特任教授は強調する。

「1703年の元禄関東地震から1923年の関東大震災が起こるまで約200年ありました。このサイクルから、関東で巨大地震が起こるまであと100年は平穏な時期が続くはずでしたが、東日本大震災で状況が一変した。今後、関東は活発な地震活動期に入るはずです」

※女性セブン2014年10月16日号

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン