国内

社会保障の収支安定のため消費税率は20%必要とエコノミスト

 来年10月の消費税率の10%への再引き上げへの地ならしがされつつある。政府の増税判断には“有識者”が大きな影響力を持つ。安倍晋三首相は昨年、「8%」への引き上げを決断する前に「集中点検会合」を開いて日本経団連や全国銀行協会、連合などの団体トップや学者、エコノミストなど60人の“有識者”から意見を聞いた。その結果、76%にあたる44人が増税に賛成論を唱えた。

 その意見を“国民を代表する各界の論者の声”とアピールして、「8%」を決定した。 今回の10%への再増税判断にあたっても、安倍政権は再度、彼ら“有識者”から意見聴取する方針を表明している。

 日経新聞は、10月5日付朝刊で、意見聴取がまだ開かれていない段階で前回の“有識者”メンバーにアンケートを行ない、〈「予定通り再増税」6割〉と増税を後押しする記事を出した。

 日経の取材に回答したのは、集中点検会合メンバー60人のうち43人。内訳は税率10%への引き上げ「賛成」が26人、「反対」9人、「どちらともいえない」8人、「未回答」17人だ。よって、前述の日経の記事の「6割」は「未回答」を除く6割を意味する。60人全員を分母にすると「賛成」は43%となる。

 本誌は独自に「賛成」と答えた人物を中心に意見を聞いた(※注)。

【※注】経団連など昨年の調査後にトップが交代した団体については新トップに質問した。

 予想通り、増税必要派の多くが挙げた理由が、「社会保障のため」というものだった。それが一番国民に受け入れられる理由だろうが、現実は安倍首相が臨時国会の冒頭で海江田万里・民主党代表の質問に答弁した通り、社会保障に使われるのは増収分2割程度にとどまる。それを踏まえて財界と労組のトップ2人の意見を聞こう。

「社会保障費が毎年1兆円ずつ増えている中では(消費税率を)引き上げて財政の安定化を図らなければ持続性が損なわれる」(長谷川閑史・経済同友会代表幹事)

「社会保障の充実・安定、そのための財政健全化に向けて、国の将来にとって不可欠である」(逢見直人・UAゼンセン会長)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン