ライフ

「最近の老人たちは」と公共の場で若者が眉ひそめる例が増加

 人生の手本であったはずの高齢者にどうも「異変」が見られる。金融機関に勤める30代会社員A氏は外回りの途中、東京を東西に貫く中央線で運よく座ることができた。次の取引先訪問に備えて資料をカバンから取り出して読み始めたが、その席が悪かった。

「60代後半か70代と思われる女性グループが、私の横や向かい側に点在して座っていて、大声で喋っていたんです。目の前の通路には立っている人も何人かいるのに、それを飛び越えるように話していて……。しかも会話の内容も嫁の悪口や近所の噂話で、聞くに堪えませんでした」

 電車内で携帯電話を使って大声で話す、ドアの脇を占拠して人が乗り降りしようとしているのに一歩も動かない、そんなマナー違反を目撃することも増えたように感じる。

 少し前は、公共の場で配慮ができない存在といえば「若者」が定番だった。「最近の若いもんは」とはいつの時代も年配者が若者の姿を憂えていう言葉だったが、いまは分別をわきまえているはずのシニア世代が「最近の老人たちは」と若者から眉をひそめられる。

「目撃談」が圧倒的に多いのは、冒頭のように公共交通機関でのマナー違反だ。20代の電子部品メーカー社員の男性は、朝のラッシュ時にこんな経験をした。

「駆け込み乗車してきたおじいさんが、電車のドアに挟まったんです。痛そうだったので最初は心配していたのですが、ドアが開いたとたんに、後ろにいた友達と思しきおじいさんに『今なら乗れるぞ!』と声をかけた。すると今度は2人目がドアに挟まったんです」

 出勤を急ぐ周囲のサラリーマンたちは冷ややかな視線を浴びせていたが、当人たちは「乗れてよかった」と満足げだったという。

※週刊ポスト2014年12月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン