国際情報

朴氏の産経新聞名誉毀損起訴 韓国の法曹界は無罪論が支配的

 2015年も前途多難が予想される日韓関係。2014年に注目を集めた産経新聞名誉毀損起訴事件の今後の行方について、産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が解説する。

 * * *
 日韓関係に番外的に飛び込んできた産経新聞名誉毀損起訴事件は年を越すことになったが、新年の早い段階で法廷での結論が出るものとみられる。一審判決の予想については韓国の法曹界や言論界の支配的見方は「無罪」論である。

 大統領(権力者)にかかわるスキャンダル的噂を紹介した外国のメディア報道を法的に処罰することには、国際的にはもちろん国内的にも否定論が圧倒的だからだ。

 朴槿恵大統領および青瓦台(大統領官邸当局)にとっては処罰の行方より問題の核心である“疑惑”の否定が関心事だ。そこで判決はまず「公判を通じ産経新聞が報道した噂は虚偽だったことが確認された」と噂を否定したうえで「ただ、だからといってそれを報道した記者を名誉毀損として処罰するには値しない」として無罪を宣告すればいい。

 こうすることによって青瓦台は「法廷で噂はシロと判明」となって安心し、同時に無罪によって韓国は司法の独立性が守られ言論の自由を尊重する国だとなって国の体面も守られるというわけだ。

 ついでにいえば産経新聞も報道内容は否定されたが無罪を勝ち取ったことで“勝利”を語れる。

 これは3者すべてを満足させられる判決である。「常識的にいってこれしかない」というのが大方の展望だが、韓国の司法―裁判官がこの常識で判決を下すかどうか。

※SAPIO2015年2月号

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン