スポーツ

広島・菊池や日ハム・大谷登場で漫画と現実の距離が近づいた

 子どものころ誰もが夢中になった「野球マンガ」。ヒーローたちの中からベストナインを選ぶとしたどうなるか。ジャーナリストの二宮清純氏に、野球観戦のプロが選ぶ「密着取材」したくなるベストナインを聞いたところ、以下のような回答となった。

【1】レフト/番場蛮『侍ジャイアンツ』
【2】センター/毒島貴志『ストッパー毒島』
【3】キャッチャー/山田太郎『ドカベン』
【4】DH/景浦安武『あぶさん』
【5】ファースト/花形満『巨人の星』
【6】サード/岩鬼正美『ドカベン』
【7】ライト/左門豊作『巨人の星』
【8】セカンド/殿馬一人『ドカベン』
【9】ショート/獅子丸『すすめ!!パイレーツ』
ピッチャー/星飛雄馬『巨人の星』

 ジャーナリストとしてスポーツを追う二宮氏は、花形のスタープレイヤーより、個性的なバイプレイヤーを好む。ベストナインにもその趣向が現われた。

「バイプレイヤーは主役を引き立たせる名脇役です。型破りな岩鬼、意外性のある殿馬など、選手一人一人に個性がある描き方は大御所の水島新司さんならでは。江口寿史さんの『すすめ!!パイレーツ』に登場するショート・獅子丸もふらりとやって来てチームを救う姿が印象深い」

 二宮打線のポイントは、DHに「あぶさん」こと景浦安武を据えたことだ。

「通常は投手や4番が主役になるのに、代打を主人公にするというコンセプトが秀逸です。景浦は、“世界の代打男”と呼ばれた阪急の高井保弘氏、酒豪で知られた近鉄の永淵洋三氏らがモデルとされる味わい深いキャラクター。一振りで勝負を決める勝負師です」

 他にも運動神経抜群の番場蛮をレフトにコンバートし、センターに強肩の毒島貴志を起用するなど、外野陣の守備力まで重視した手堅いラインナップだ。

 球場で実際のプロ野球選手を取材する二宮氏は最近、マンガと現実の距離が近づいてきたと感じている。

「広島のセカンド・菊池涼介選手は神出鬼没で殿馬のような守備をします。二刀流で160キロ超を投げる日本ハムの大谷翔平選手は漫画そのもの。“ストライクを打つのではなく、打ったところがストライク”としてどんな球も広角に打ち分けるソフトバンクの内川聖一選手や同じ腕の振りで8種類の“魔球”を投げ分けるオリックスの金子千尋投手も魅力的。マンガのように独創的な選手が増えてきて楽しいですね」

※週刊ポスト2015年3月27日号

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン