ライフ

国宝指定間近の松江城 至る所に残る様々な工夫や仕掛け紹介

松江城を訪れた元フジテレビの宮瀬茉祐子アナ

 2年前、式年遷宮で沸いた出雲大社から車で1時間。約400年前に築城された島根県の松江城天守が、国宝に指定されることとなった(決定は7月頃)。千鳥が羽を広げたように見える見事な三角屋根の破風を持つことから「千鳥城」とも呼ばれる美しい佇まいの城だ。

 全国に創建時の姿を残している天守はわずか12。そのうちの一つである松江城の天守は、1階の床面積が姫路城に次ぐ2番目の規模で、高さは姫路城、松本城に次ぎ3番目。今回、ナビゲーターを務めた元フジテレビ・アナウンサーの宮瀬茉祐子さんは、天守前面の附櫓鉄扉に触れながら話す。

「この扉は鉄板で覆われてとても頑丈な造りですね。入口から防備の意識が高く、松江城が実戦本意の城だったというのが伝わってきます」

 平成24年に慶長16年創建を裏付ける2枚の祈祷札が発見されたことから天守の完成時期が確定し、国宝指定への流れが一気に加速した。松江市・松江城国宝化推進室の山本盛治氏が解説する。

「昭和12年以降、所在不明だった祈祷札が二の丸にある松江神社で発見されたのです。さらに天守を調査した結果、地階の2本の柱に札を打ち付けた跡が見つかり、札のあった場所も判明しました」

 2階分を貫く通し柱が至る所に配置されているのが松江城の大きな特徴で、祈祷札の跡が発見されたのも地階から1階間を貫く通し柱の地階部分だった。

「創建者の堀尾吉晴が5年の歳月をかけて松江城を築いたのは、関ヶ原の戦いで徳川家康が勝利してから間もなくのこと。戦乱が収まったとはいえない時期だったため、城の随所に軍事的工夫が見られます。謎の一つが、3階に設けられた屋根に通じる扉。敵を足止めするため、隠し部屋があるかのように見せかけたのではないかとの推測もありますが、用途は不明です」(山本氏)

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン