薄毛に悩む男性は多いが、その繊細な気持ちが理解できないという女性も少なくない。東京都に住む女性Aさん(35才)は、不動産会社勤務の夫(44才)と2人の子供と4人暮らし。その夫は薄毛に悩んでいるのだが…。Aさんが告白する。
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昨年の秋、ゴッソリと抜けてから、夫の最大の関心事は“毛”。鏡をのぞいては、「真夏に庭の草取りなんかやらされたからだよ。直射日光で毛根が弱るって知っていたら、誰が草取りなんか」って、恨みがましいことを毎日、グダグダ。
私がいくら「抜け毛の原因は老化と遺伝」と言っても、夫は“敵は紫外線”と決めつけてテコでも動かないの。
家から一歩、外に出るときは、頭のてっぺんから日焼け止めクリームをタラ~と流し込んで頭皮にすり込み、その上にお気に入りの野球帽をかぶる。普段着ならまだいいわよ。でもスーツ着て目深に野球帽をかぶった夫は“不審者”そのもの。夫とすれ違った近所の奥さんなんか、目を伏せていたもの。
で、つい「そこまでして髪を守りたい? どうせなら短髪にすれば?」と言うと、「お、お前なんかにオレの気持ちがわかるか」って、目に涙をにじませて、逆ギレしたんだから。
夫の場合、抜け毛がいちばん激しいのは頭頂部で、言ったらナンだけど、すごく下品な“まだらハゲ”なのね。それもキツいけど、野球帽で蒸れて、ペッタリと寝た毛はもっと見苦しい。その上、“ハゲ”はもちろん、“薄”とか“抜け毛”という言葉に、いちいち反応するこの男を、もうどう扱ったらいい?
※女性セブン2015年7月2日号