●「ドラマツルギー」としてはどうなのか
でも、正直に言って、「LIVE」で映された映像の中身そのものについては「?」。私には面白さがさっぱりわからなかった。
生放送を意識しすぎたせいなのか、主人公の二人はいつにも増して、ぎこちない演技。見ているこっちが赤面したくなるような学芸会的雰囲気から出ることはなかった。
「恋愛ドラマ」。その市場に目を向ければ、お客には大量の中高年女性たちが控えている。「冬ソナ」でヨン様を追いかけた女たちは、胸キュンがあれば必ずや、恋愛ドラマに食い付くはず。今回のドラマは、その膨大な市場を取り逃していないか?
「特色ある世代に絞り込んだ」ターゲットドラマの挑戦は果敢だが、やればやるほど「わからない」「共感できない」と感じる世代もまた出てきてしまう皮肉。
人々がより多様化細分化しているこの時代に、恋愛ドラマをどう作ればいいのか。本気で考えるきっかけを与えてくれたことが、『恋仲』の収穫だった。