ビジネス

ユニクロ週休3日制はブラック批判への過剰反応と大前研一氏

 今、多くの日本企業で「新たな働き方」を模索する動きが広がっている。果たして、これからのビジネスマンの働き方はどうあるべきか? 一人一人の「稼ぐ力」をいかに引き出していくのか? 最近のトピックをもとに、経営コンサルタントの大前研一氏が独自の視点から指南する。

 * * *
 リクルートホールディングスとグループ会社の一部は、理由や日数に制限のない在宅勤務(リモートワーク)制度を試験的に導入し、効果が確認できれば10月から対象を全社員に拡大することを目指している。子育てや介護といった理由がなくても、無制限に在宅勤務ができる制度は珍しく、在宅勤務を選んだ社員は原則的に自宅など自分の好きな場所で仕事をすることができ、1日1回、仕事の進捗状況や懸案事項を上司に報告すればよいという。

 また、カジュアル衣料店「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングも、この10月から正社員の一部を対象に「週休3日制」を導入する。まず対象となるのは国内の「ユニクロ」約840店で働く転勤のない「地域正社員」約1万人で、原則として店が混雑する土日祝日が出勤日となる。週休2日制なら1日8時間の勤務時間が10時間に延びるが、1週間あたりの勤務時間(40時間)と給与水準は変わらない仕組みである。

 この件について、私はファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんに直接確認していないので、その真意は想像するしかないが、一時期、ユニクロが離職率の高さや労働時間の長さなどから「ブラック企業」と批判されたことに対する過剰反応のようにも感じる。

 さらに、社員の側からすると、週休2日が3日に増えることにどういう意味があるのか? 学校に通う子供がいたり、夫婦共稼ぎでパートナーの休みが土日祝日だったりすれば、平日に3日休んでも、家族では活用しづらい。また、ユニクロは原則として正社員の副業・兼業やアルバイトを禁止している。それで週3日も休みになったら、大半の人は暇を持て余してしまうのではないだろうか。

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン