さまざまなブームが生まれては消えるテレビ・映画の世界。その中で今、「キテる」、あるブームがあるという。それがズバリ「お坊さん」だ。
テレビ番組では、月曜夜7時から『ぶっちゃけ寺』(テレビ朝日系)が放送中。この番組、頭に「お坊さんバラエティ」と名前がつくように、出演者は司会の爆笑問題やパネラーのタレント以外は全員、現役の住職。毎回、彼らの修行やファッション、さらには恋愛・結婚にいたるまで、あらゆる裏側を話してもらうという、史上初「僧侶のトークバラエティ」だ。
「特定の業界人だけを集めてトークするという番組は、古くはボディビルダー50人や、ミスコン準優勝者50人などを一堂に集めてトークしていた『上岡龍太郎がズバリ!』(TBS系)、最近では『バカなフリして聞いてみた』(日本テレビ系)や『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)、『ジョブチューン~あの職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)など特段変わったスタイルではありません。ただ、毎週“お坊さん”だけで番組を成り立たせようとしたところがすごい」と語るのは、テレビが大好きだと言う放送作家・内堀隆史氏だ。
この番組はもともと、昨年9月まで放送されていた『言いにくいことをハッキリ言うTV』という深夜番組から派生したもの。ここで、僧侶をテーマにした回が好評だったことからそのままレギュラー化され、今年4月にゴールデンに進出した。話上手な住職が多く、しかも、別世界の意外な話ばかり。グイグイ惹きつけられてしまう視聴者は多いようだ。
さて同じくテレビ朝日系列で10月4日からスタートしたのが『仮面ライダーゴースト』。仮面ライダーシリーズ27作目となるこの作品、モチーフとなっているのは「お化け」。いきなり初回で主人公が死んでしまい、ゴーストとなって敵と戦うという、奇抜な設定となっている。だが注目すべきは、ジュノンボーイの新人俳優・西銘駿(にしめ・しゅん)演じる主人公・天空寺タケルの人物背景だ。
「タケルは大天空寺というお寺の跡取り息子。仮面ライダーに変身するときも『開眼!』と言って、印を結ぶポーズをします。かつてゴーストハンターとしても活躍していた亡き父親に代わり、タケルの成長を見守る住職代理の御成(演・柳喬之)は、もちろん丸刈りに袈裟という典型的なお坊さんスタイルです。ちなみにこのシリーズを全話ディレクションする監督さんも気合が入っているのか、頭を丸めて撮影に臨んでいるみたいですよ」(内堀氏)
お寺の跡取り息子の仮面ライダーなど史上初ではないだろうか。
さて、そんな「お坊さん」が登場するテレビドラマさらには映画が、この10月に2本ラインアップされている。
まずは12日から始まる新・月9ドラマ。『5→9(5時から9時まで)~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)。石原さとみ演じる英会話学校講師と、山下智久演じる僧侶が、とある葬儀会場で最悪の出会いを果たし、やがて恋に落ちるという異色のラブコメディーだ。原作は少女漫画雑誌『Cheese!』(小学館)で2010年から連載されている漫画家・相原実貴さんの『5時から9時まで』だ。放送前から、山下がイケメン僧侶をどう演じるかに注目が集まっている。