続く24日に公開されるのは、主演を務める俳優・伊藤淳史の丸刈り姿が似合いすぎると話題になっている映画『ボクは坊さん。』。原作は、四国八十八箇所めぐりの札所(ふだしょ)・栄福寺に生まれ、24才で突然住職となった白川密成(しらかわ・みっせい)さんの同名エッセイ(ミシマ社)。2010年に著書が発売されて以来、何度か白川氏の元には映画化の依頼がありながらなかなか正式には決まらず、5年後にようやく実現したという。
過去にも、本木雅弘主演による映画『ファンシイダンス』(1989年)や、中居正広がお寺の副住職を演じた月9ドラマ『ブラザーズ』(1998年)などの「お坊さんもの」はあったが、このように同時期に、お坊さんやお寺関連のコンテンツが発表されることはあまりないだろう。
近年、現役のお坊さんが経営し、また人生相談も受けつけてくれるバー「坊主バー」が各地にオープンし、お寺ではジャズコンサートやダンスベイントがたびたび開催。2011年、東京・築地本願寺では震災復興のためのチャリティー女子プロレスも行われた。
「それまでは別次元と思われていた仏教の世界が身近になってきているのでしょう。テレビや映画でお坊さんが取り上げられているのは、そんな時代の気分も多少影響しているのかもしれません」(内堀氏)
仏教やお寺というのは長い歴史のなかで、われわれの生活に深く入り込んできた。誰もが一生の中で必ず関わるもので、本来、われわれにとって身近なものではなかっただろうか。そう考えると、テレビや映画などさまざまな形で取り上げられ人気を呼ぶのもうなずけるのだ。