芸能

エンジェル・ハート好評の上川隆也 役をひきずらない凄さ

『エンジェル・ハート』が好評の上川隆也

 10月11日から始まったドラマ『エンジェル・ハート』(日本テレビ系)。冴羽りょう役で主演しているのが上川隆也だ。原作は大人気コミックだったため、この配役には放送前から賛否両論の声が上がった。しかし、いざ放送が始まってみると、冴羽りょうの再現率の高さに絶賛の声が上がった。上川が難しい役を見事に演じきれるのはなぜか? そこには彼のイメージと演技スタイルが関係しているという。テレビ解説者の木村隆志さんが分析する。

 * * *
『エンジェル・ハート』(日本テレビ系)の放送がはじまり、冴羽りょうの再現率や体脂肪率10%を切る肉体改造など、上川さんに称賛の声が集まっています。「もともと見た目が似ているから」「上川さん本人がアニメ好きだから」という分析を目にしますが、本質はそれら外見や嗜好ではなく、内面にあるとみています。

 たとえば、上川さんが情報番組やバラエティー番組に出演しているとき、元気のない姿を見せたり、少しでもけげんな顔をしたり、ふざけたりした姿を見たことはあるでしょうか。私自身、ドラマの制作会見で何度かお会いしましたが、上川さんは常に言葉を選びながらこちらの目をしっかり見て、見どころなどを解説してくれました。

 そのときにハッとさせられたのは、上川さんの姿勢の良さ。立っても座っても、身振り手振りを交えても、体の軸は一度としてブレませんでした。しかも、聞き手に合わせて体の向きを変えるなど、その姿勢だけで「心を開いていますよ」という誠実さが伝わってきたのです。

『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の「ゴチになります!」にレギュラー出演していたときも、学生服をきちんと着てマジメな発言が多いことから「委員長」と呼ばれていましたが、まさにそのイメージ通り。そんな誠実さのイメージがあるからこそ、さまざまな役柄への振り幅が生まれるのでしょう。

 たとえば、愛すべき変人・糸村聡を演じた『遺留捜査』(テレビ朝日系)、小学生の継父になる泥棒・俺を演じた『ステップファザー・ステップ』(TBS系)、心優しいゲイの保険医・梅田北斗を演じた『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(フジテレビ系)、天使と悪魔の二重人格を持つ弁護士・榛名圭一を演じた『青の時代』(TBS系)など、全く異なる個性的な役が演じられたのは、上川さん本人のイメージが「誠実さ」の1点に限定されているから。

 色で言えば真っ白であり、「どんな色にも染まれる」「役を離れれば色が抜けて白に戻る」という、見事なセルフブランディングができているのです。冴羽りょうもそれらに匹敵する難役ですが、胸を突き出したような立ち方や、両手をポケットに突っ込む仕草などの細部まで忠実に再現しているのは、そんな誠実さの表れでしょう。

 次に、演技のスタイルに目を向けてみます。いくつか出演作を挙げましたが、「どれも記憶に残りながらも、その役を引きずっていない」ことに気づくのではないでしょうか。つまり、視聴者である私たちに「上川さんはこういう俳優だ」「あの役の俳優さんだ」というステレオタイプな見方をさせない凄さがあるのです。

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン