ビジネス

マックが投入の「200円バーガー」 意外にも評判は悪くない

「おてごろマック」として新発売された200円バーガー3種類

 中国の取引先による期限切れ鶏肉使用問題が発覚して以降、なかなか客離れに歯止めがかからないマクドナルド。

 既存店の売上高は今年8月に前年同月比で19か月ぶりの増収となったが、客数は戻らず9月まで29か月連続のマイナスと、不名誉な記録を更新し続けている。

 そんな中、10月26日に「おてごろマック」シリーズとして、新商品の“200円バーガー”3種類(エッグチーズバーガー、バーベキューポークバーガー、ハムレタスバーガー)を発売した。

 これらは輸入牛肉の値上がりで昼間限定の割引セット(昼マック)を廃止するため、

「ジュースやポテトとセットにしても昼マックと同じ500円程度になる『中価格帯』のバーガーを開発し、“おトク感”を失わせないようにした」(飲食コンサルタント)。

 いわば苦肉の策で投入された新商品ともいえるのだが、意外にも評判は悪くない。

 ネット上では早くも、〈エッグチーズは月見バーガーに似ていて新鮮味はないが、飽きがこない味〉〈ハムレタスはあっさりしていて朝食に最適〉〈バーベキューはソースにコクがあって大人向けの味〉といった感想が挙がる。

 実際、「巻き返しを図る商品戦略は徐々に奏功してきた」と指摘する声は出始めている。

「サラ・カサノバ社長はもともと海外店舗で腕を磨いた商品マーケティングのプロ。立て直しを命じられた日本でも、消費者の嗜好調査を重ねて期間限定の『アボカドバーガー』をヒットさせたり、健康志向に着目した野菜入りバーガーを多数考案したりしてきた。

 マック批判で叩かれながらも、しつこく商品開発を続けてきた成果といえるのではないか」(経済誌記者)

 それと同時に、カサノバ社長は現場店舗を隈なく回り、従業員のみならず子連れの母親たちの声に真摯に耳を傾けるなど、失地回復に向けた取り組みも行ってきた。

 当サイト(2015年7月10日配信記事)では、「不採算店舗を次々閉鎖するくらいなら、託児所を併設したらどうか」とフードアナリストのコメントを掲載したが、10月20日に神奈川県藤沢市内のFC(フランチャイズ)オーナーが、一部店舗を子育て支援や世代間交流の場として市に提供する旨のパートナー協定を結ぶなど、さまざまな「起死回生策」が始動しつつある。

関連キーワード

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン