スポーツ

G.馬場と坂口征二 ホノルルで「東京タワーズ」と命名された

 ジャイアント馬場とアントニオ猪木、ふたりのスーパースターの活躍を軸として日本プロレスの軌跡を振り返る、ライターの斎藤文彦氏による週刊ポストの連載「我が青春のプロレス ~馬場と猪木の50年戦記~」。今回は「世界の荒鷲」と呼ばれ、のちに新日本プロレスの社長も務めた坂口征二がプロレスラーとなり、第3の男として日本プロレス協会を支えた時代のことをお届けする。

 * * *
 ジャイアント馬場とアントニオ猪木のそれぞれの独立、“滅びゆく家元”日本プロレス協会の最終章を語る上で欠かすことのできないキーパーソンは、“第3の男”坂口征二である。

 昭和17年、福岡県久留米市出身。昭和40年、全日本柔道選手権優勝。同年10月、柔道世界選手権(ブラジル)3位。昭和41年、全日本選手権準優勝。明治大学卒。

 正社員として在籍していた旭化成を退社し、昭和42年2月17日、25歳の誕生日に日本プロレス入団を発表。同日、馬場とともにアメリカ武者修行の旅に出発した。

 柔道からプロレスに転向した動機を、坂口は「1968年のメキシコ・オリンピックの正式種目から柔道が除外され目標を失ったこと」「あのままサラリーマン生活を送るのがイヤだったこと」「日プロから誘われたこと」と振り返る。

“元柔道日本一”坂口の国内デビューは―リーグ戦は猪木の初優勝で幕を閉じたが―この年の“春の本場所”の目玉商品だった。ファンも新しいスター誕生に心躍った。

『第11回ワールド大リーグ』開催中の5月12日、日本プロレス協会とNET(現在のテレビ朝日)は、7月第1週からのプロレス中継の放映開始を発表した。

 力道山時代からプロレスを中継する日本テレビと日本プロレス協会との間に、後発のNETがやや強引に割り込んできた形だった。

 坂口は、リーグ戦終了後の6月、3回目のアメリカ長期遠征に出発し、デトロイトを拠点にオハイオ、シンシナティ、カナダのトロント、オンタリオの“五大湖エリア”を半年間ツアー。

 昭和45年1月から3月まではロサンゼルスに滞在し、3月下旬の帰国を前にハワイで馬場と合流。ホノルルで2試合行なった。馬場と坂口のコンビは、現地では“東京タワーズ”と命名された。キャリア3年の坂口は、この時点ではどちらかといえば“馬場派”だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
川崎春花
【トリプルボギー不倫の余波】日本女子プロ2022年覇者の川崎春花が予選落ち 不倫騒動後は調子が上向かず、今季はトップ10入り1試合のみ「マイナスばかりの関係だった」の評価も
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
「中野駅前大盆踊り大会」前夜祭でのイベント「ピンク盆踊り」がSNSを通じて拡散され問題に
《中野区長が「ピンク盆踊り」に抗議》「マジックミラー号」の前で記念撮影する…“過激”イベントの一部始終
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
『東宝シンデレラ』オーディション出身者の魅力を山田美保子さんが語ります
《第1回グランプリは沢口靖子》浜辺美波、上白石姉妹、長澤まさみ…輝き続ける『東宝シンデレラ』オーディション出身者たちは「強さも兼ね備えている」
女性セブン
9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン