芸能

綾野剛『コウノドリ』の産婦人科医役でカメレオンの称号得る

 役者の魅力が満喫できる作品は、1クールの中でもそう多くはない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
「涙なくして見られない」「出産を思い出して泣けた」「旦那に見せたい」「こんなに号泣したドラマは久しぶりです」

 女性視聴者たちに絶賛されているドラマがある。

『コウノドリ』(TBS系金曜午後10時)。産科医になりたい、助産師になりたい、という声も続出しているとか。テレビドラマが社会に与える影響を、なめてはいけない。

『コウノドリ』でまず最初に、私の目を惹きつけたのは、主演・綾野剛の姿だ。この人の持つ、カメレオン的演技才覚。凄い領域に達している。

 主人公の産婦人科医・鴻鳥(こうのとり)サクラの人柄は、一言でいえば「ほんわか」。色でいえば、白。温かく柔らかく包み込む、受容の人。「生まれてきたすべての赤ちゃんに“おめでとう”と言いたい」と願う、愛情深い産科医だ。綾野剛は、そんな産科医になりきっている。目つき、顔つき、口調、顔の輪郭すべてが。

 それまで彼のイメージといえば? 映画『新宿スワン』のインパクトのせいか、危ない金髪スカウトマン。あるいは『最高の離婚』のダメ男……。とかくエッジの効いた、陰影のある、個性的でクセのある役のイメージが強かった。その容貌も、ヘビ顔とまで言われた。今回はその正反対。色でいえば、黒から白への変身ぶり。

 役者というものはいつでも、「前とは違う自分を見せたい」と願っている。狙いもするし計算もしている。しかし、だからといって、まったく別人に見えるほど変わることはなかなか難しい。視聴者を説得できる役者は、そう多くない。

 と、綾野剛の存在がまずはこのドラマのしっかりとした柱になっている。

 加えて、ドラマの演出も見事だ。産科医療がそもそも繊細なテーマだということ自覚しつつ、丁寧に演出している。本物の新生児がしばしば画面に出てくることも、驚き。最初は、目を疑った。えっ、生まれたばかりの赤ちゃんじゃない? いったいどんな交渉をしたら出演してくれるの? 視聴者もたじろぐリアリティの追求。そのあたり制作陣の「本気度」が見てとれる。

関連記事

トピックス

イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
「押収されたブツを指さして撮影に応じ…」「ゲッソリと痩せて取り調べに通う日々」米倉涼子に“マトリがガサ入れ”報道、ドタキャン連発「空白の2か月」の真相
NEWSポストセブン
元従業員が、ガールズバーの”独特ルール”を明かした(左・飲食店紹介サイトより)
《大きい瞳で上目遣い…ガルバ写真入手》「『ブスでなにもできないくせに』と…」“美人ガルバ店員”田野和彩容疑者(21)の“陰湿イジメ”と”オラオラ営業
NEWSポストセブン
「ガールズメッセ2025」の式典に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月19日、撮影/JMPA)
《“クッキリ”ドレスの次は…》佳子さま、ボディラインを強調しないワンピも切り替えでスタイルアップ&フェミニンな印象に
NEWSポストセブン
結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
タンザニアで女子学生が誘拐され焼死体となって見つかった事件が発生した(時事通信フォト)
「身代金目的で女子大生の拷問動画を父親に送りつけて殺害…」タンザニアで“金銭目的”“女性を狙った暴力事件”が頻発《アフリカ諸国の社会問題とは》
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン