健康にいいとされた早寝早起きが一転して寿命を縮めるとなれば一大事! 女性セブンはさっそく取材を始めたが、多くの医師は「早起きが寿命を縮める」とのケリー博士の見解に首をかしげる。
医学博士の狭間研至氏もその1人だ。
「確かに体内時計は人間の体に備わっています。これは太陽とともに起きて、沈むとともに寝ること。地球は通常24時間で1回転していますが、体内時計は1時間ほどズレているといわれています。このズレをリセットするのが光を浴びること。だから、本当に早起きが体内時計を狂わせて、病気を誘発するのかはわかりません」
最適な睡眠時間の長さは、人によって違う。早寝早起きがライフスタイルにすごく合っているという人が急にやめる必要はないだろう。
「体内時計のリズムでは、夜11時~朝3時くらいまでは体のメンテナンスにあてる時間なので、この時間帯にゆっくり体を横にすることが大事なんです」(狭間氏)
一方、睡眠医療の専門家でスリープクリニック調布院長の遠藤拓郎氏は、「確かに早起きには病気のリスクがある」と指摘する。
「人間のパフォーマンスは体温に関連します。体温が高いと人間はうまく能力を発揮できる。人にもよりますが、人間の体温が最も高くなる時間帯は夕方4時から夕方6時。水泳大会でも朝より夕方のほうが体温が高いので、いい記録が出ることが確認されています。
逆に朝4時から朝6時までは最も体温が低い時間帯。高齢者がこの時間に無理やり体を動かそうとすると負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞につながります」(遠藤氏)
※女性セブン2015年11月12日号