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わいせつか芸術か議論の春画 意外に知られてない基本を解説

 春画を主体とした日本初の展覧会『SHUNGA 春画展』(永青文庫)が押すな押すなの大盛況だ。会場には連日多くの女性がつめかけ、男女の性を大らかに描いた約60点の作品に目を奪われている。本誌が訪れた日の来場者の男女比は4:6で女性が多く、外国人の姿も多く見られた。

 空前のブームは思わぬ余波を生んだ。春画展に合わせてグラビアで春画を掲載した週刊誌4誌に警視庁が口頭で指導を行ったのだ。そもそも、春画とはなんなのか。春画の基本の「き」を、『春画入門』著者の車浮代さんに聞いた。

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 春画のもともとは、中国渡来の房中術を描いた彩色画でしたが、江戸時代に日本の絵師たちがこれをまねて、やがて木版画でも摺られるようになりました。単なるエロ本ではなく、職人の技術が詰まった芸術品です。

 葛飾北斎、喜多川歌麿など当代一流の絵師が腕を競って制作しました。当時は、“春画の依頼をされてこそ一流の絵師”とされたほどです。

 表向けに売られていた浮世絵は『かけそば一杯ほど』とされます。今の値段で500円~1200円ほど。秘密裏に売られていた春画はその10倍以上しました。現在、残っている春画には何千万円もの値がつくものもあります。

 春画は、大名から庶民まで幅広く人気でした。男女の和合は子孫繁栄につながり、めでたいことだったので、嫁入り道具に春画を持たせることも。縁起物のため、戦場に赴く武士が戦勝祈願で鎧櫃に入れることもあった。厄除けとしても人気でした。

 局部が大きいのも春画の特徴で、めでたいことを際立たせるため、デフォルメして局部を大きく描いたのです。また、春画は「笑い絵」とも呼ばれ、人を楽しませる目的もあった。面白さを強調させるため、わざと局部を巨大化しました。

※女性セブン2015年11月12日号

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