「監督が現役時代と同じ背番号をつけるケースは、稲尾氏や広瀬氏、村山氏のようにチームにゴタゴタがあるときが多いようです。人気を維持するためのカモフラージュとして、現役時代と同じ背番号を身にまとう。
もうひとつは、長嶋監督や山本監督のようにマスコミへ話題提供をするケース。今年の例でいえば、高橋監督はチームが野球賭博問題を抱えているし、金本監督は常にネタを欲しがる在阪マスコミへの“アメ”と考えてもよいでしょう。阪神二軍監督の掛布雅之氏の『31』も、同じ狙いがあると思います」
これまで振り返ったように、現役時代と同じ背番号で結果を残した監督は少ない。どうしてなのだろうか。
「一概には言えませんが、同じ背番号だと今までのイメージが残ってしまい、選手時代と切り替えづらい面もあるのではないでしょうか。たとえば、巨人時代の王監督は、世界のホームラン王のイメージが強く残る“ビッグ1”のままだったため、選手も近寄りがたく、溝が生まれてしまっていた可能性もあるでしょう。
そう考えると、ダイエーで背番号『89』にしたことと、その後黄金期を築き上げたことには相関関係があるようにも思います。由伸監督、金本監督ともに、現役時代のチームメイトがたくさん残っている現状を考えれば、一区切りを付ける意味でも、違う番号を背負うべきだったかもしれません。偉大な選手ほど、番号は変更したほうが周囲もやりやすいのではないでしょうか」
高橋、金本両新監督は、このジンクスを打ち破ることができるか。