紀里谷和明監督作品『ラスト・ナイツ』 (C)2015 Luka Productions.


紀里谷:そう。だから逆にいえば、自分のやりたくないものはやらない、信じてないものはやらないと決めてしまった。そこから、ぼくは本当に何が好きなのか、何をやりたいのか、と自分と向き合う作業が始まりました。向き合って出てきた写真、PVも含めた映像が、ぼくのスタイルの礎になったわけです。ありがたいことにそれをやって食えています。

――『ラスト・ナイツ』も死んでもいい作品なわけですね。

紀里谷:はい、今、本当に作品のために死んでいいと思っています。大げさでなく、毎回そう思って作っています。本当に明日死んでもいいんですよ。

【紀里谷和明(きりや・かずあき)】
1968年4月、熊本県生まれ。15才で渡米、米国・マサチューセッツ州のケンブリッジ高校でアートを学んだ後、パーソンズ美術大学で環境デザインを学ぶ。1994年写真家としてニューヨークを拠点に活動開始。その後、ミュージックビデオやCM制作を手掛ける。最近では三代目 J Soul BrothersのPVが話題に。2004年『CASSHARN』で映画監督デビュー。2009年『GOEMON』を発表。『ラスト・ナイツ』でハリウッドデビュー。  

【ラスト・ナイツ】
戦士の時代が終わり、よこしまな政治が栄誉に取って代わろうとしていた大帝国。非道な大臣から賄賂を要求され、断ったバルトーク卿(モーガン・フリーマン)は反逆罪に問われてしまう。死刑判決を下され、斬首を強要されたのはバルトーク卿の愛弟子、騎士ライデン(クライヴ・オーエン)であった。自らの手で、主君を殺めてしまい自責の念にかられるライデン。そして、その憎しみの炎は堕落した権力者達へ報復するある計画へと繋がって行く―。 監督:紀里谷和明 出演:クライヴ・オーウェン、モーガン・フリーマンほか。11月14日から全国公開中。

撮影■浅野剛

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