国際情報

潘基文氏 日本の歴史批判するが中国の侵略の歴史には黙る

朴槿恵氏と潘基文氏 Reuters/AFLO

 北京・天安門での抗日戦勝70周年記念行事(9月3日)に潘基文・国連事務総長が出席したことに対し、日本政府は強い遺憾の意を表明した。大規模軍事パレードなど今回の行事が特定の国(日本)を非難し、かつアジアに緊張をもたらしている軍事力を誇示するきわめて政治的なものだったからだ。

 世界の平和と安定、友好・協力を追求する国連の代表としてはふさわしくない行動というわけだ。ただ彼はすでにロシアでの対ナチ戦勝70周年行事にも出席している。日本としては不快、不満だが、国連の最高決定機関である安保理常任理事国に中国が加わっていることもあり、彼としては止むを得なかったかもしれない。

 それでも潘基文批判は大いにしなければならない。彼は天安門で朴槿恵大統領と並んで中国軍のパレードを観閲した。二人の韓国人は65年前に起きた中国軍の“韓国侵略”を忘れたかのようにパレードに見入っていた。中国軍は朝鮮戦争(1950―53年)で韓国を侵略したのではなかったか。

 あれだけ日本には「謝罪と反省」を執拗に要求し続ける韓国なのに、これまで中国に「謝罪と反省」を要求したという話はない。

 韓国にとって中国は侵略者だった。北朝鮮の〝奇襲南侵〟に対し韓国防衛のため国連軍が派遣されたが、その後の戦況は中国軍の介入・南下で実質的には国連軍と中国軍の戦いとなった。1953年の休戦協定には北朝鮮軍、国連軍、中国軍が調印している。

 国連の70年の歴史の中で、国連軍は朝鮮戦争での派兵が規模も犠牲も最大だった。しかもその舞台は韓国(朝鮮半島)だった。韓国出身の国連事務総長がよく平気で(?)あの行事をながめることができたものだ、というのが筆者がまず気になったところだ。

 潘事務総長はことあるごとに日本の過去の歴史に関して批判的発言をしているが、中国の“侵略の歴史”には何もいえない。これでは日本批判の資格などない。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン