「爆買い」は、たとえば同僚がコンビニで、弁当だけでなくサラダや野菜ジュースもいっしょに買っていたら、「おお、爆買いだね」と称えるぐらいの感じが、望ましい使い方。休日に夫婦でスーパーに行ったときに、サラダ油が「2本で○円」とお買い得になっていたら、妻に「よし、爆買いするか」と力強く宣言するのも一興です。ささやかな贅沢やチマチマした買い物のときに使うのが、大人としての粋なズラシ力と言えるでしょう。
「トリプルスリー」は、あらためて言葉だけを見ると「3」を意味する言葉がふたつ重なっています。女性社員が3人で話していたら「我が社のトリプルスリーが揃い踏みだね」と話しかけたり、同僚と入った焼き鳥屋さんでおつまみをたのむときに「もも、皮、つくねのトリプルスリーでいくか」と言ってみたりするのがオススメ。意味もなく「トリプルスリー」を使うことで、その3人なり3つなりに特別な意味を持たせられる……かも。
「トップテン」の中で使い勝手が広そうなのは、なんといっても「安心して下さい、穿いてますよ。」です。上司に「あの件、どうなったんだ?」と聞かれたら、「安心して下さい。ちょっと難航してますよ」と答えたり、妻やパートナーに浮気を疑われたときには、「安心して下さい。やってませんよ」と身の潔白を主張したりしましょう。ぜんぜん安心できない場面でも、あえて自信たっぷりに「安心して下さい」と宣言してしまうことで、相手はうっかり安心してしまったり、それ以上は突っ込めなくなったりしそうです。
世の中が漠然とした不安感に覆われているだけに、この「安心して下さい」というフレーズは、時代にマッチして意外に長生きするかもしれません。発案者のとにかく明るい安村が芸人として長生きできるかどうかはまた別の話ですが、今回のトップテン受賞に安心せず、さらにがんばって活躍してもらいたいものです。
こうした流行語は、広く注目を浴びた時点で、すでに過去の言葉になりかけてしまうのが常。どの言葉も、もうすぐ賞味期限が切れそうで十分に熟成しています。あえてそういうタイミングで使うことによって、具体的な説明は差し控えますが、女性の魅力をより広く深く感じられるようになるかもしれません。安心して使って、爆モテや何らかのトリプルスリーを目指しましょう。ただし、ひとつ間違えると、爆スベリや顰蹙のトリプルスリーの可能性もありますが。