「年に数か月のことですが、仙台でお父さんとお姉さんが暮らし、トロントでお母さんと羽生が生活するという“一家離散”の決断でした。それもすべて羽生のスケートのため。お父さんは“息子はカナダでスケート三昧で幸せな暮らしをしているでしょう”と話しているが、奥さんと離れての生活は大変に違いありませんよ」(スケート連盟関係者)

 4年ほど前まで、羽生の試合での衣装はすべて母親の手作りだった。その頃、羽生はテレビのインタビューでこう話していた。

《夜更かししてまで衣装を作ってくれる母親の愛情を感じながら滑っています》

 決して表に出ない母親だが、試合会場でその姿を見ると、羽生はお母さん似だということがよくわかる。

 2010年に世界ジュニア選手権で優勝してシニアデビュー。2011年には四大陸選手権で銀メダルに輝き、史上最年少のメダリストとなった。そんな頃に東日本大震災を経験した。ちょうどリンクで練習中のことだった。

「一家は避難所での生活を余儀なくされ、家族4人で1つのおにぎりをほおばっていたそうです。羽生はこんな状況で自分はフィギュアを続けていいのかと悩んだそうです」(前出・フィギュア関係者)

 2011年以降、羽生の頭から震災のことが離れたことはない。今シーズン、羽生はエキシビションの曲目に「天と地のレクイエム」、震災の鎮魂歌を選んだ。当時16才の彼は、制服姿で震える声を抑えながら「ちょっとしたことでも、ぼくのスケートが支えになれば…」と話していた。

※女性セブン2016年1月1日号

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