芸能

テレビ業界恒例の番組打ち上げ 視聴率との関連性やいかに?

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、テレビ業界の番組打ち上げ事情を解説。

 * * *
 経費削減の折、昔のように派手な打ち上げを行う番組は「もうない」と言っていい。予算だけではない。視聴者のテレビ離れが急速に進むなか、「視聴率が大してとれていないのに、派手なことをやるわけにはいくまい」「恥ずかしい」と自粛する番組責任者の声も聴かれる。

 それでもまだドラマ班からは華やかな打ち上げの様子が漏れ聞こえてくる。大手プロダクションに所属する俳優たちへの局側の気遣いから豪華な会場に。そしてプロダクション側からも競うように豪華景品が用意されることも昔とあまり変わらない。

 だが、情報番組やバラエティ番組のそれは、本当に地味になっている。発泡酒と紙皿に載った乾き物で「スタジオの前室で」とか「局内のカフェや食堂で」というケースだらけだ。

 とはいえ、スタッフや出演者が集まって交流を深めるのは番組作りにとって重要なこと。私が担当する某番組は、年に一度、制作スタッフ全員がMCを囲む食事会があるが、その際は、あえて、ふだんMCと話すことのないADさんたちの席をメインテーブルに置き、短い間ではあるがMCと交流をもってもらうようにプロデューサーが配慮している。

 こうした、ちょっとしたことでスタッフの士気が上がることは間違いないし、放送作家として私には「演者やスタッフが仲のいい番組はジワジワと視聴率が上がっていく」という持論があることも度々書いている。

 演者やスタッフに「独裁者」と呼ばれるような人がいて、みんながみんな、その人の顔色をうかがうばかりで何も言えないような、風通しが悪く、しかも打ち上げもないような番組は、いずれ廃れていく…。そんなケースを何度も見てきている。

 実は昨年末、初めて『情報ライブ ミヤネ屋』の打ち上げに参加させてもらった。

 同番組は大阪読売テレビ制作。コメンテーターの大半は東京から通っているので、打ち上げのときは、その日出演していた人が残ったり、たまたま大阪で仕事があったついでに立ちよるのが常。私は初めて年内最後のオンエア日のコメンテーターだったのだ。

 番組終了30分後から、同局内のカフェに月~金のスタッフがほぼ全員集合。同局のエライさんも集まるなか、司会進行をつとめたのは、番組に関わって日が浅い男性スタッフだった。

 関西の番組らしく、串揚げや粉もんが並ぶなか、打ち上げのメインは、番組でもおなじみの特製巨大ボードを使った“スタッフの素顔”だった。

 ここを仕切ったのが番組MCの宮根誠司さん。それまで飲んだり食べたりしていた参加者は昔の街頭テレビに群がる人々のように、全員がボードに注目。ADさんたちは体育座りでフロアに整列し、宮根さんの絶妙な進行を見守った。

 餅は餅屋で、番組の打ち上げには、この日のために担当者が編集したVTRが流れるものだが、『ミヤネ屋』では、新たに加わった曜日プロデューサーの隠し撮りをしたり、家族のインタビューを撮ったり。さらには、スタッフにアンケートを取ったり、東京に異動した元スタッフにもメッセージを貰いにいったり…と、それはそれは凝った内容。

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト