「江戸時代、お侍や町人の人口は一握りで、9割は農林漁業に従事していました。その農漁村では恋愛は比較的自由で、結婚にもお試し期間があって、合わなければ別れることも自由でした。厳しかったのは、家父長制で跡継ぎ問題のあるお武家さんたちで、武家のルールを一般の国民にも押しつけていました。
それ以前は夜這いという言葉がありましたが、もともとは若い恋人が声を掛け合い、気に入ると性的関係となる『呼び合い』と言い、それほど大らかなものでした。大前提として人間には浮気の本能があり、社会的抑圧も減ってきている状況の中で、そちらに戻りつつあると私は見ています」
当初、川谷は結婚していることを隠してベッキーに近づいたが、実際、男性の隠しごとはどう見抜くべきか。富田さんによると、性格的に隠しごとが上手なのは、社交的なタイプよりも内向的なタイプだという。
「明るく社交的な人は、隠しごとが苦手なタイプ。そういう人は、バレそうになった場合に誤魔化すのはうまくても、秘密を守ったり計算はそんなにうまくない。対し、内向的で何を考えているかわからないタイプの人の場合、計算づくで嘘をつく傾向があります。わりと控えめでおとなしく、頭が良くて、独自の世界を持っている人は嘘そのものがうまいと言えます」
「何か隠しているのでは?」と疑惑が生まれた際、見破るためのサインを教えてもらった。
「目の前で嘘をつき続けるためには相当な緊張やストレスがあるので、生理的な変化が出ます。例えば喉が渇きやすくなって、普段飲んでいる量以上の水を飲みます。他にはこちらが何か際どい質問をした時の目の動きですね。話している人が左視野を見ている時は、感情や記憶を使う右脳を使って、自分の記憶を正直に話しています。
ところが話を作っている場合は、視野の右側を見ます。論理言語脳の左脳が支配して、いろいろな創造をしているという心理データが出ています。もっと単純な人の場合、鼻を触ったり、口を覆うのも嘘を話している時や自信がない時にやる仕草です」
手で口を覆ったり、目が泳いだり、顔や体を触ったり、やたらと水を飲むのは生理的ストレスのサイン。ちょっと怪しいと思ったら、直接質問をぶつけて反応を見るといいかもしれない。