ビジネス

国内外の金融関係者注目のRING氏 がん新薬、人工知能株狙う

 株式投資などで資産1億円以上を築いた投資家たちを“億り人(おくりびと)”という。彼らの成功の秘訣は、市場を独自の視点で見通し、勝てる銘柄を選別することにある。順調に資産を殖やし続ける億り人に、2016年の投資戦略を聞いた。

 株式市場に影響をもたらすニュースをいち早くツイッターで配信。経済系メディアよりも早く情報を発信することがあるため、個人投資家だけでなく、国内外の金融アナリスト、さらには日銀や金融庁、財務省などの官僚からも注目されているのがRING氏だ。

 運用額は非公表ながらも、その資産は億を超える。謎めいた部分が多いRING氏だが、「今年は昨年以上の乱高下相場を意識しています」と警戒する。

「私の予想では、日本企業の業績“上振れ”が限定的となり上値は抑えられるものの、春くらいには日銀の追加金融緩和が実施され、日経平均は2万円を超えて推移する場面もあり得るでしょう。

 ポジティブな要因がある一方で、需給悪化が進めば再び1万6000円台も。中国やブラジルといった新興国などのネガティブな経済状況が再び表面化し、相場に悪影響を及ぼす可能性もあります」(RING氏、以下「」内同)

 乱高下相場で重要なのは「人気分野の見極め」だという。

「小野薬品工業(東証1部・4528)が、がん免疫薬『オプジーボ』でがん領域に参入したことを受け、買われています。昨年秋から2倍近く株価が上がりました。この手の医薬関連の株は期待先行で買われることが多い。

 しかし、小野薬品工業の場合、オプジーボの売り上げも伸び、業績にも寄与し始めている。テーマ先行の銘柄とは違う動きを見せていて、薬の適応範囲が拡大されれば、さらなる上振れ、上昇が期待できそうな強い銘柄だといえます」

 期待先行で買われても、後から実力もついてくる。他の分野、テーマでも同様の視点で物色する。

「人工知能技術を有する行動情報データ解析企業のUBIC(マザーズ・2158)は、期待先行に見えますが、特許分野でトヨタ系の企業に協力するなど具体的な展望が見える。また、昨今の原油安で三井化学(東証1部・4183)は採算性が改善されている他、紙オムツ向け不織布・通気性フィルムなど注目材料が豊富です」

【プロフィール】りんぐ/東京都在住・30代。投資歴12年目、日本株メインのトレーダー。強い銘柄を買い、弱い銘柄を売る「ロングショート」にデイトレードを組み合わせ、あらゆる相場で利益を上げている。Twitter:@xRINGx

※週刊ポスト2016年1月15・22日号

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン