国際情報

金美齢氏 安保法制巡り「民主主義は人を堕落させる」と指摘

櫻LIVEで語る金美齢氏

 ジャーナリスト・櫻井よしこ氏がキャスターを務めるインターネット番組『言論テレビ「櫻LIVE」』から、元台湾総統府国策顧問で、評論家の金美齢氏との対談のエッセンスを紹介。日本・台湾・中国をめぐる安全保障問題について櫻井氏と金氏が語り合った。

 * * *
櫻井:金さんは(2009年に)日本国籍をおとりになった。いま日本人として考えていただきたいんですが、南シナ海の北東の出入口に台湾があって、台湾を中国にとられると、南シナ海が中国の海になってしまいます。

金:内海になってしまいます。

櫻井:これは、すごい痛手です。だから台湾を絶対守り抜かなければいけない。台湾の国益は、日本の国益です。その意味で、金さんは日本国民に何をおっしゃりたいですか。

金:私はかつて台湾人だった時には、「台湾のために声をあげてください」「『日本は台湾側に立っています』というメッセージを送ってほしい」と、日本人に訴えていました。 いま日本人として言いたいのは、「台湾を失ったら次は日本だ」ということです。これは自分の問題なのです。

櫻井:安保法制にも大きな反対がありました。そうした日本の現状を見ていて、どうお考えですか。

金:9月3日に北京で行われた軍事パレードでは、中国はあれだけの軍事力を見せつけました。それが一体どういうことなのか、考えなければなりません。安倍さんが何か言うと、メディアは「中国がどういう反応をした」「韓国がどういう反応をした」、そしてせいぜい「アメリカがどういう反応をした」と報じます。しかし、あとの国の反応については何も言わない。

櫻井:台湾や東南アジアのことも、インドのことも、ニュージーランドやオーストラリアのことも、何も言わない。

金:安保法制が通ったことに他の国々が賛成して喜んでいるということは、どうして何も言わないのでしょうか。

櫻井:日本人が、もっと世界に目を向けるために、具体的に私たちは何をしたらいいのでしょうか。私はいつも話していますが、日本人は幸せすぎるのでしょうか。

金:そうです。民主主義は人を堕落させる。

櫻井:民主主義と豊かさですね。しかし、この民主主義と豊かさを守るためには、やはり受け身であってはならないわけで、闘わなきゃいけないですね。

※SAPIO2016年2月号

関連記事

トピックス

ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
思い切って日傘を導入したのは成功だった(写真提供/イメージマート)
《関東地方で梅雨明け》日傘&ハンディファンデビューする中年男性たち デパートの日傘売り場では「同い年くらいの男性も何人かいて、お互いに\\\\\\\\\\\\\\\"こいつも買うのか\\\\\\\\\\\\\\\"という雰囲気だった」
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン