が、それを誌面やメディアでひけらかすようなことはなかった。名前は「清原亜希」ではあるが、彼女は驚くほど仕事で夫に頼っていなかった。それは、アイドルとして苦労してきたからかもしれないし、プロ野球選手という職業が、ずっと安泰だと言えないことを彼女はよくわかっていたのだろう。
かと言って、夫を軽んじていたわけでは決してなくて、プロ野球選手の夫を尊敬し、夫を支えていたことは間違いない。
以前、清原亜希が、ご近所さんでもあり、ママ友でもある高嶋ちさ子、白城あやか(中山秀征の妻で元タカラジェンヌ)と共に『ボクらの時代』(フジテレビ系)に出演したことがある。
このとき3人が、それぞれの夫について語る際、高嶋と白城が“清原和博”をやや小馬鹿にするような話しっぷりだったのが印象的だった。それを受けて「そうそう、その通り」と余裕の笑みを浮かべた清原亜希に、あぁ、この人は幸せなのだと思ったものだ。
離婚後も、懸命に仕事をして2人の子供さんを育てていたし、元夫は、その子供たちと月に数回会うことを生きがいにしていた。
その機会を奪うことなく、しかし自分は元夫と“距離”を置いてきた清原亜希。その言動と判断に対し、世間は驚くほど静かな反応であり、所属事務所から発表された「子供を守るので精一杯」というコメントに対しても、批判めいた声は皆無といっていい。
所属事務所を検索してみたら、数名の所属モデルらにも複数の“ママ”がいて、清原亜希よりも年下と思われる少数の女性スタッフにも子供さんがいることがわかった。
小さな子供をもつママたちが周りに多く居る清原亜希にとって、彼女たちとの会話の中にこそ“リアル”があるようだ。
だから今回、意地悪なツッコミをする人も少なければ、清原亜希を批判する声もほとんどない。彼女のインスタグラムには、元夫逮捕の報道の翌々朝の時点で1000件以上の応援メッセージが届いていた。
それは彼女の“人柄”と、母としての“在り方”、そして『STORY』のカバーモデルになってから以降の“努力”に対してのものに他ならない。
「清原亜希」というモデル名とブランドは、彼女が地道に作り上げてきたものであり、離婚したり、元夫が逮捕されたりしても、だからといって、それは手放す理由にはならないのだ。
スポンサーや代理店から「イメージが悪い」とかいう声は、いずれ上がってくるのだろう。しかし、それは彼女の頑張りを知らない人たちかもしれない。『STORY』登場以降の「モデル・清原亜希」を支持している女性たちの多くは“味方”。清原亜希には「“清原”亜希のままで」と願っているに違いない。
そう、「清原亜希」は、彼女が公私にわたって守ってきた名前なのだ。5日に発表されたコメントも、まず謝罪から入り、「いま、私にできることは多くありませんが…」とし、元夫を切り捨てるような内容では決してなかった。そして、最後に記されていたのは「清原亜希」の名前。今後も、この名前で堂々と仕事をしてほしいと思う。