部屋を支えてくれる後援者と、力士の妻が顔を合わせる機会は実はそんなに多くない。だからこそ、会ったときの対応は印象が強く残る。
「主に会うのは場所前の激励会や、千秋楽での打ち上げのとき。そこで、笑顔できちんと挨拶ができることは最低条件です。また、後援者から贈り物や祝儀をもらったら、丁寧に礼状を返す。伝統芸能の世界ではそうした礼儀作法が重要です」(後援会関係者)
大相撲の本場所は年に6回。そのうちの3回は東京の両国国技館だが、残りの3回は、大阪、名古屋、福岡で行われる。ある部屋の元女将はこうアドバイスする。
「現役力士の妻は、基本的には自宅での世話をきっちりしていることがなにより大切。地方場所があるときに、わざわざウイークリーマンションを借りてついていく奥さんもいるようですが、あまりお勧めできません。力士は地方で羽を伸ばしたいものだし、場所前や千秋楽に顔を出す程度で充分です」
体調管理や栄養管理は大切だが、力士たるもの太っていなければいけない。
「結婚して“やせた?”と言われるのは好ましくない。朝稽古のあとは部屋でちゃんこを食べますが、夕食は自宅で食べるので、健康的に太らせられる食事や夜食を準備するのも仕事のうちです」(前出・後援会関係者)
若貴の母、藤田紀子さん(68才)は、離婚して角界を出る前からバラエティー番組などに出演し、ひんしゅくを買っていたように、後援者や女将、親方たち角界関係者が口を揃えて言うのが、「力士の妻は目立ってはいけない」だ。
後援者たちとのつきあいにも口を出さず、どんと構えることが求められる。
「部屋の女将より目立ってはいけないし、タニマチたち(後援者)と宴席でつきあうのも妻ではなく力士の仕事。あくまで後ろに控えることです。そのほうが独立するときにも応援してもらえます」(前出・後援会関係者)
※女性セブン2016年2月25日号