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2016.02.19 07:00  週刊ポスト

新宿歌舞伎町 過激でアブナイ「アウトロー俳句」名作選

【駐車場雪に土下座の跡残る】(咲良あぽろ)

 詠み手の「咲良あぽろ」って女性は俳句初心者だけど天才だと思う。初めての句会でこれを詠んだ。

 うっすらと積もった雪の上に「土下座の跡」を見つけたという断定的で暴力的な美しさ。これは歌舞伎町の住民だからこそ解るリアルだよ。これが別の場所で土下座の跡って言われてもリアルじゃないだろ。

【夜の声鳴くは女か鈴虫か】(一本足)

 秋の句会で歌舞伎町のホテル街を歩いてたときに思い浮かんだ一句。ホテルの閉ざされた窓の内側では女たちが鳴いている。季節は秋だ。外では鈴虫も鳴いている。

 二つの鳴き声を楽しみながら目の前では男が女をホテルに連れ込もうと口説いている。歌舞伎町っぽい風情があっていいねぇ。

【冬ざれて警棒さする巡査かな】(地野獄美)

「冬ざれ」のしばれる寒さの年末も、クリスマスやらで歌舞伎町は華やいでいる。そんな風景の中で、警官も暇そうに警棒をさすってぼんやりしている。でも心の中じゃ、警官も「何か起こってくれないかな」って思ってるのかもしれない。平和と危険の間を危うく渡っている歌舞伎町ならではの光景を上手に詠んでいるよ。

──『屍派』の活動を始めて3年。最近の作品は「少し弱ってきている」と話す北大路氏。

「メンバーが大人しくなってるんだよね。でも悪いことじゃない。人間は会社にいても、家庭にいても弱るものだ。歌舞伎町は強い者が目立つ街だけど、弱い者を許してくれる一面もあるんだよ。また新しい奴らが入ってきて、弱った空気を変えてくれるだろう。そうしたもの全てを発信するのが『屍派』の使命なの」

 彼らの夜は眠らない──。

※週刊ポスト2016年2月26日号

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