ライフ

糖尿病と痛風に繋がる血糖値と尿酸値の最新情報

 健康診断の数値を見るたびに一喜一憂させられるのが「血糖値」と「尿酸値」だ。中年男性に共通の不安だが、多くの人が間違った知識に振り回されている。これまでとは大きく変わった「新常識」をレポートする。

「血糖値」と「尿酸値」が多くの男性にとって悩みの種になっているのは、それぞれが「糖尿病」「痛風」というつらい病気に冒されるリスクを孕んでいるからだ。糖尿病の治療で人工透析に通う男性(65)がいう。

「50代で糖尿病と診断されました。合併症で腎臓を患い、週3回4時間の透析をしています。日常生活がここまで制限されるととても不自由です」

 痛風に苦しむ男性(62)が後悔の念を語る。

「ある日、いきなり足の指の関節が赤く腫れ上がり、あまりの激痛に自力では歩けませんでした。自分の不摂生を後悔するばかりです」

 こうした病気につながっている血糖値と尿酸値とは何か。人間にとって重要なエネルギーであるブドウ糖は、体内に入ると小腸から吸収される。このブドウ糖が血中に占める濃度が血糖値だ。

 尿酸は人間の細胞の核を構成するプリン体という成分が分解されて生じる老廃物で、尿酸の血液中の濃度が尿酸値となる。

 この2つは健康診断のたびに目にする数値だが、最近は驚くべき「新常識」が生まれているという。銀座泰江内科クリニックの泰江慎太郎院長が話す。

「これまで信じられてきた基準値や改善法のなかには、間違っていたことが明らかになったものもある」

 血糖値と尿酸値の最新情報を専門医の解説とともに見ていこう。

◆「糖質オフ」「プリン体ゼロ」で安心するな

 それぞれの値が血中に占める糖質とプリン体の濃度なのだから、それらを摂らなければいいと考えがちだが、意外な落とし穴もある。たとえばプリン体はビールに多く含まれることが広く知られているが、「プリン体ゼロ」だからといって安心してはいけないと、両国東口クリニックの大山博司理事長が解説する。

「プリン体の含まれていない発泡酒でも、アルコール成分が曲者です。アルコールが体内で分解される際にプリン体が作られて尿酸値が上がってしまうリスクがある。“プリン体フリー”だから『どれだけ飲んでも大丈夫』と思っている人は、その考えを改めたほうがいい」

 秋津医院の秋津壽男院長は「食べ物」ばかりに目が行きがちだが、「ストレス」の影響も大きいと話す。

「精神的・身体的なストレスが影響して、血糖値、尿酸値ともに数値が上がることが確認されています。ストレスが脱水症状を引き起こし、水分が減ることで様々な物質の血中濃度が上がるからと考えられている」

◆血糖値が高いと尿酸値も上がる?

 2つは全く別の数値と思われがちだが、前出の大山理事長は「相関関係が考えられる」と話す。

「そもそも尿酸値の高い人は血糖値の上がりやすい生活習慣であるケースが多い。

 さらに血糖値が高いと、それを抑えようとインスリンが多く分泌される『高インスリン血症』という状態になりやすくなる。インスリンには尿酸の排泄を抑える働きがあるので、高血糖が尿酸値の上昇にも関係しているといえる」

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン