国内

春の鉄道ダイヤ改正 「名松線」はなぜ復活できたのか

このほど全線復旧する名松線。2015年11月撮影(写真提供:JR東海)

 春は出会いと別れの季節。鉄道にも華々しく開業する路線がある一方、ラストランが話題になり別れを惜しむものもあります。華やかな話題いっぱいのなか、三重県を走る「名松線」が3月26日に2009年以来の全面復旧を果たします。『封印された鉄道秘史』などの著書があるライターの小川裕夫氏が、決して利用者が多いといえない名松線はなぜ復活できたのか、福島県の只見線は復活できるのかについてリポートします。

 *    * *
 
2016年3月26日、JR各社のダイヤ改正が実施される。今回のダイヤ改正の目玉は、何と言っても北海道新幹線の一部開業だろう。

 昨年、北陸新幹線が金沢駅まで延伸し、金沢は観光需要が増大。テレビや雑誌などでも話題を振りまいた。今回の北海道新幹線開業でも、函館などへの観光客増加が期待されている。

 北海道新幹線が開業の祝賀ムードに包まれる中、今回のダイヤ改正でもうひとつ注目したい動きがある。それが、三重県を走る名松線が約6年半ぶりに全線復旧を果たすことだ。

 名松線と耳にしても三重県に縁がない人たちにとってはピンとこない。名松線は三重県松阪市の松阪駅と三重県津市の伊勢奥津駅とを結ぶ約43.5キロメートルの路線で、三重県“名”張市と“松”阪市とを結ぶために計画されたことから名松線と名づけられた。しかし、名松線は名張まで路線を延ばせずに現在に至っている。

 その名松線は、2009年の台風で線路などが被災。松阪駅-家城駅間はすぐに復旧を果たしたが、家城駅-伊勢奥津駅間は被害が甚大だったこともあって、同区間はバスによる代替運行に切り替えられた。

関連キーワード

トピックス

俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン