当時のホリプロオーディションの応募者は9621人。頂点に立った高畑は、学校をやめて上京した。「いつか舞台で天下を取る」──そんな野望を持って東京に出た高畑を、運命がすぐに味方した。2007年、ミュージカル『ピーター・パン』の主役に抜擢されたのだ。

 過去に榊原郁恵(56才)や相原勇(49才)、宮地真緒(32才)らがヒロインを演じた伝説の舞台で、高畑も同作の出演をきっかけに一躍スターダムへ登り詰めた。同舞台で演技力だけでなく美声も磨かれた彼女は、以降、舞台『奇跡の人』、映画『ドルフィンブルー』など話題作に立て続けに出演し、演技派女優として成長していった。

 高畑が出演した連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年)の脚本家・森下佳子さんも彼女の魅力についてこう話す。

「彼女は芝居を心底愛していました。女優さんには二通りいて、芸能活動の手段として女優を選ぶ人と芝居が好きで女優になる人がいますが、彼女は確実に後者です。撮影は大阪で行われましたが、高畑さんは実家から普通に電車で来ていた。ただただ好きな芝居をするために現場に来ているという感じでした。それに、彼女の歌は本当に凄い。『ごちそうさん』で彼女が演じた希子も、当初はデパートガール役の予定だったんですが、その美声に魅せられるあまり、歌う場面を盛り込んだほどです」

 主演の杏(29才)はもちろん、演技に厳しいことで知られるキムラ緑子(54才)にも特別かわいがられていたという。

「一度出演者みんなで飲みに行きました。出しゃばらず、かといって暗くもなく、先輩を立て、後輩にも優しい。自然とみんな彼女のことが好きになるんです」(森下さん)

※女性セブン2016年4月21日号

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