国内

ペット供養を行う寺 副住職の結婚きっかけに始まる

大阪市天王寺区にある泰聖寺の「春の供養大祭」

 気温は20℃以上まで上がり、初夏の陽気となった4月10日。大阪市天王寺区にある泰聖寺(柳谷観音大阪別院)で「春の供養大祭」が行われた。犬や猫などペットの合同供養祭で、お骨を手に回忌時の供養で訪れる人、寺院に納骨をする人、約150人が参加し、参列者にはペットの元気な姿を思い出し、読経中に涙を流す人もいた。

 大阪市に住むA子さん(47才)は、3年前に愛犬のポメラニアンを16才で亡くした。動物病院の紹介で泰聖寺を知り、火葬してもらって以来、供養祭には毎回参加している。

「内臓の病気で入院していたとき、命は長くないだろうと言われていました。亡くなった後のことを考えたとき、合同で火葬するのは嫌で、個別に火葬してもらいたく、こちらを勧めてもらったんです。ワンちゃんは離婚していちばんつらかったときに飼い始めた子。この子がいたから頑張れました。自分の子供のような存在です。普段は自宅の祭壇に遺骨を置いて毎日話しかけていますが、もし私が死んだら一緒のお墓に入りたいと思い、こちらの霊園でお墓を建てました」

 A子さんが言うように、泰聖寺ではペットの火葬や納骨といった供養だけでなく、飼い主とペットが一緒に入れるお墓を建てることができる。

 こうした霊園や墓地は全国に約60~70か所あるが、寺院では珍しい。泰聖寺でペットの供養を始めたのは、2012年秋。院代である純空壮宏・副住職が話す。

「きっかけは私の結婚でした。家内の実家に挨拶に行くと仏壇の前に小さな骨壺があり、聞くと、小さな頃から飼っていたワンちゃんのお骨だと言います。火葬の際に邪険に扱われ、その時のことが悲しくて埋葬もできずにいたそうです。他にも聞いてみると、遺骨を自宅に安置したり、庭に埋めたりしているけど、“もっとちゃんと供養したい”という人が多かった。それでペットのための納骨堂を建て、2013年春には火葬できる施設も整えました。石霊標に名前を彫って祀ることや、愛犬をかたどった石像を作り、霊園に安置することもできます」

 火葬の料金は2kg以下(15cm以下)なら引き取りに1万4000円、拾骨1万9000円、2~5kgは引き取り1万7000円、拾骨2万2000円など体重によって決められている。毎月月例の法要があり、読経供養(1霊3000円)や合祀納骨(1万5000円)、納骨壇安置(管理料年間1万円)などができる。始めた当初、火葬の依頼は月に10件ほどだったが、現在は月に80件まで増えた。納骨の依頼は月に30~40件ほど。夜間対応用に火葬車を導入し、訪問火葬も始め、依頼は月に100件ほどにのぼっている。

「火葬をしてからしばらくは遺骨を家に置いて、数年経ってから納骨されるかたもいます」(純空副住職)

※女性セブン2016年4月28日号

関連記事

トピックス

神田正輝の卒業までに中丸の復帰は間に合うのか(右・Instagramより)
《神田正輝の番組卒業から1年》中丸雄一、『旅サラダ』降板発表前に見せた“不義理”に現場スタッフがおぼえた違和感
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)の“過激バスツアー”に批判殺到 大学フェミニスト協会は「企画に参加し、支持する全員に反対」
NEWSポストセブン
主人公・のぶ(今井美桜)の幼馴染・小川うさ子役を演じた志田彩良(写真提供/NHK)
【『あんぱん』秘話インタビュー】のぶの親友うさ子を演じた志田彩良が明かすヒロインオーディション「落ちた悔しさから泣いたのは初めて」
週刊ポスト
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《いまだ続く広陵野球部の暴力問題》加害生徒が被害生徒の保護者を名誉毀損で訴えた背景 同校は「対岸の火事」のような反応
週刊ポスト
どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン