スポーツ

甲子園の虎ファン 巨人・立岡に「タピオカ~」と連呼

熱狂的な虎ファンたちのヤジが飛ぶ

 ワールドチャンピオンに輝いた経験もある巨人の元エース・上原浩治(現ボストン・レッドソックス)が、「世界一のアウェー」と評したのが甲子園での阪神戦だった。熱狂的な虎ファンたちの手厳しいヤジは、今季も健在だ。テレビ観戦では聞こえない、放送コードギリギリの“声援”の数々を現場ルポ!

 プレイボール直前、4万6000人の大観衆による「六甲おろし」の大合唱が終わると、まず虎ファンの“矛先”は、巨人のマスコット・ジャビットに向けられた。

「コラ~、ウサギのバケモン! ボサッと突っ立っとらんと、六甲おろしが流れたらお前もケツ振って踊らんかい!」

「マスコットのくせにビジター用のユニフォームまで持っとるとはな。金持ち球団は違うのう!」

 アニキこと金本知憲・新監督率いる阪神タイガースが、甲子園で今季初めて読売ジャイアンツを迎え撃った4月26日。この日を待ちわびていた虎ファンたちのボルテージは最高潮に達していた。

 阪神の先発は藤浪晋太郎。1回表、巨人の先頭打者・長野久義の四球出塁に、「1回ぐらいバット振れよ~」と声が飛んだのを皮切りに、次々とヤジが続く。2番・立岡宗一郎が打席に入るとスタンドからは、

「タピオカ~! タピオカ~!」

 とダミ声の連呼。その立岡が2球目でバントを決めると、「おい、ヨシノブ~、動きすぎちゃうか! アニキならそんな野球はせぇへんぞ。坊ちゃん顔して案外セコイんやな」と高橋由伸・監督が標的になる。その間も、「タピオカ~。タピオカ~」と呪いでもかけるかのように叫び続ける野太い声は止まない。心なしか立岡の表情も乾いたタピオカのようにこわばってきたような……。

 後続が凡退するとヤジ将軍たちのウォームアップも完了。エンジン全開の口撃のターゲットは投球練習中の巨人先発・高木勇人だ。

「高木いうたら記者会見で引退やいうて泣いてたヤツちゃうんかァ! もう帰ってきたんかいな。1年は家にこもらんとヤーさんに追い込みかけられるぞ!」

「博打はダメ、ゼッタイ。真面目に働かなアカンでコラ~」

 もちろん野球賭博問題で巨人に契約解除されたのは別の高木(京介)である。開幕前にジャイアンツを揺るがせた野球賭博問題は、虎ファンにとって格好のネタだ。

※週刊ポスト2016年5月20日号

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト