政治とカネの問題は、政治家にはつきもの。没後20年経ったいま、石原慎太郎元都知事の書いた『天才』がベストセラーとなり再評価されている田中角栄氏(享年75)も、国民のために奔走した結果の金権政治が原因で窮地に陥った。
それにしても今回の舛添氏は公私混同が過ぎ、あまりに庶民感覚とかけ離れているように思えるが、実は東京都知事をめぐっては、「昔からよくある」というのは中堅の都庁職員。
「舛添さんが週末別荘に通っていることも非難されていますが、そもそも石原さんは、作家活動のため、登庁するのは週2~3回でしたし、画家の四男を海外出張に帯同させたときは“税金を私物化しすぎ”などと糾弾されました。でもご存じのように、その次の都知事選で石原さんは再選。猪瀬直樹さんだってお辞めになったのは金銭問題でしたよね」
それだけに「舛添さん、あなたもか」といっそう怒りがわいてくるが、なぜこんな事態が繰り返されるのか?
それは第一に、都知事が、全国の有権者1億人の1割に及ぶ1000万人から選ばれているということ。またその税収を含める都の財源は12兆円ともいわれ、他の自治体とは桁違いの差があるからだ。
それゆえ都知事は首相より強い権力を持つともいわれている。裁量権も大きい。例えば新宿区の都有地問題。3月に、東京韓国学校に有償で貸し出す方針を突如打ち出したことが発端となり、保育園や介護施設などの増設よりも優先されてしまったことに、都民の怒りが爆発した形だが、これも都知事の一存で決められたといわれている。
※女性セブン2016年6月2日号