ビジネス

サントリー、ダイエー、出光興産 伝説の名経営者たちの格言

 経済大国ニッポンを支えた昭和の偉大な名経営者は必ず「格言」を持っていた。彼らはその言葉で社員を、そして社会を成長させていた。“言葉の経営学”ともいえる金言葉の数々には、日本経済復活の大きなヒントが詰まっている。

●鳥井信治郎(サントリー創業者/1879~1962年)

〈社長と呼ばず、大将と呼べ〉

※『美酒一代 鳥井信治郎伝』(杉森久英著、新潮文庫)より

 国産初のウイスキー生産に奮闘し、朝ドラ『マッサン』(2014年)で堤真一演じる鴨居欣次郎のモデルになった鳥井。どんなに成功しても常に創業時の精神を忘れず「社長」ではなく「大将」と呼ばせ続けた。

●中内功(ダイエー創業者/1922~2005年)

〈君ら“電卓”とちゃうか? ただ単に計算するだけやったら電卓と変わらんやろ。君らの辞書には戦略という文字はないんか?〉

※『中内功のかばん持ち』(恩地祥光著、プレジデント社)より

「お客さまのために」をモットーに前例のない価格破壊を進めた中内。常に「最前線」を好み、阪神淡路大震災直後には被災者に希望を与えるため、自ら現地に乗り込んで店舗再開を指揮した。

●出光佐三(出光興産創業者/1885~1981年)

〈愚痴は泣き言である。亡国の声である。(中略)昨日までの敵の長所を研究し、取り入れ、己の短所を猛省し、全てをしっかりと腹の中に畳み込んで、大国民の態度を失うな〉

※『出光佐三 反骨の言魂』(水木楊著、PHPビジネス新書)より

 敗戦直後、失意の従業員に「大国民の態度を失うな」と説いた出光は、海外から引き揚げる857人の社員を1人もクビにせず、自己資産をなげうって養った。

※週刊ポスト2016年6月3日号

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン