芸能

笑点最大のタブー 大喜利の回答は放送作家が考えている?

『笑点』最大のタブーを追う(番組HPより)

「『笑点』の大喜利の回答は放送作家が考えている」──この噂を一度は耳にしたことがあるかもしれない。かつて初代司会者の立川談志が「笑点は司会者と回答者のコールアンドレスポンスを楽しむもの。台本はある」と発言したほか、ビートたけし、松本人志らも「台本」や「放送作家」の存在を指摘する。

 新司会者の春風亭昇太(56)に真相を尋ねたところ「僕からは何もいえません!」とノーコメント。現役出演者が口を開きにくいのも無理はない。日本テレビ広報部にも聞いたが、やはりノーコメント。そこで、複数の関係者に取材すると、実態が浮かび上がってきた。

「10人前後の放送作家が集まってネタ出しをしているようです。中には70代の大ベテランもいる。作家たちは基本、毎週水曜日に会議を開いています。

 1人あたり10~20問を持ち寄ってその中から放送で使うお題を決める。そして翌週の会議までに、そのお題の“回答例”を考えてくるんです。それを各メンバーのパーソナリティーに合わせて振り分ける。そうしてできた内容は収録の直前に伝えられます」(制作に携わっていた元スタッフ)

 ただし、それをもって“ヤラセ”というのは野暮だ。この元スタッフによれば、「大喜利の中でも特に爆笑を誘う、いわゆる身内いじりは各メンバーのアドリブが多い」という。

「普通、笑点メンバーくらいの大御所なら楽屋は個室なのですが、笑点では全員一緒の大部屋。そこで師匠同士が、近況を報告し合っているんです。それが『女より男が好きな独り身の昇太』『命も毛も残り少ない歌丸』といった、愛のあるいじりに繋がるんです。

 メンバーは収録外でもお互いを茶化し合っていて、例えば会場入りする桂歌丸師匠の車イスを三遊亭円楽師匠が押していた時は『歌丸師匠の搬入でーす!』と叫んで爆笑を誘っていた」(同前)

 メンバーには放送作家の回答例に忠実なタイプと、そうでないタイプがいるという。

「特にアドリブが多いのは林家木久扇師匠。というのも、どうやら回答例を覚えられないらしくて(笑い)。彼の鉄板ネタに『何て答えようとしたか忘れちゃった』というのがありますが、あれは“作り”じゃないんですよ。

 三遊亭好楽師匠は果敢にアドリブに挑戦するのですが……『台本通りにやってくれた方がよかったな』と思うことは少なくない(苦笑)。

 円楽師匠は政治や社会派の独自ネタを入れ込んでくることが多い。円楽師匠がもし司会者になっていたら、あのキレある時事ネタは披露できない。昇太師匠の抜擢を悔しがったりはしていないと思いますよ」(日テレ関係者)

 一番アドリブ力が問われるのが司会者だという。

「回答者が答えた後の司会者の返しは用意されていないんです。過去の回答を蒸し返すいじりが上手かった先代の円楽師匠(2009年死去)には、スタッフ一同舌を巻いていました」(同前)

 ちなみに、アドリブが暴走しすぎてしまう人も。

「三遊亭小遊三師匠はとても放送できない下ネタをアドリブで入れてくることが少なくない。残念ですが、オンエアではバッサリとカットされてしまいます(笑い)」(同前)

※週刊ポスト2016年6月17日号

関連記事

トピックス

学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン