ビジネス

中国人観光客が日本で落とすカネは中国人が回収している

 急増する訪日外国人のうち、もっとも割合が大きいのは中国人観光客だ。ところが、急増する彼らの要求にサービスが追いついていない。そして、彼らのニーズを受けとめてビジネスチャンスを広げているのは、中国人による中国人向けビジネスばかりになりつつある。経営コンサルタントの大前研一氏が、中国人観光客が日本で落とすはずのカネを、どうやって中国企業や中国人が回収しているかについて解説する。

 * * *
 訪日中国人観光客も相変わらず増え続けている。昨年の中国株急落や不動産バブルの崩壊懸念によって訪日中国人観光客が減少すると危惧する見方もあったが、それは中国人を十把一絡げにしていることによる考え違いだ。

 もちろん、中国人の中には汚職などで蓄財した輩もいれば、不動産投機や株投機に失敗して財産を失った人もいる。だが、都市部の中国人の多くは住宅をいったん高値で売り抜け、それなりに貯蓄率も高い健全なミドルクラスになっている。そして、このうち一度日本を訪れた人の大半は日本が好きになり、リピーターになっている。

 だから中国国内の景気が悪くなっても(「爆買い」は下火になるかもしれないが)、中国人観光客は今後も日本にやって来ると思う。

 そして、いま彼らの間で人気を集めているのが“中国版エアビーアンドビー”である。「自在客」「住百家」「途家」といった中国系民泊仲介サイトが日本でのサービスを拡大して急成長しているのだ。これらが増え続ける中国人観光客に部屋を貸し出しているわけだが、それでも宿泊施設のキャパシティが全く足りないため、「自在客」や中国で圧倒的に強い「上海春秋国際旅行社」などは日本で自前のホテルを建設することを計画しているという。

 中国人観光客が日本に来て落としていくはずのカネを、中国企業や中国人がちゃっかり回収する仕組みが着々と出来上がりつつあるのだ。

関連記事

トピックス

大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
歌手・浜崎あゆみ(47)の上海公演が開催直前で突如中止に
《緊迫する日中関係》上海の“浜崎あゆみカフェ”からポスターが撤去されていた…専門家は背景に「習近平への過剰な忖度」の可能性を指摘
NEWSポストセブン
逮捕された村上迦楼羅容疑者(時事通信フォト)
《闇バイト強盗事件・指示役の“素顔”》「不動産で儲かった」湾岸タワマンに住み、地下アイドルの推し活で浪費…“金髪巻き髪ギャル”に夢中
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年12月3日、撮影/JMPA)
《曾祖父母へご報告》グレーのロングドレスで参拝された愛子さま クローバーリーフカラー&Aラインシルエットのジャケットでフェミニンさも
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン
指示役として逮捕された村上迦楼羅容疑者
「腹を蹴れ」「指を折れ」闇バイト主犯格逮捕で明るみに…首都圏18連続強盗事件の“恐怖の犯行実態”〈一回で儲かる仕事 あります〉TikTokフォロワー5万人の“20代主犯格”も
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《広瀬すずのぴったりレギンスも話題に》「アスレジャー」ファッション 世界的に流行でも「不適切」「不快感」とネガティブな反応をする人たちの心理
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン