二軍・三軍施設の充実は、戦力補強にも大きく影響を与える。高校生と大学社会人の分離ドラフトが廃止された2008年以降、ソフトバンクは43選手中28人と高校生を多く指名している。対照的に巨人は44選手中19人と半数に満たない(いずれも育成ドラフトは含まない)。

「ソフトバンクは昨年のドラフト指名6人が全て高校生。『2~3年かけて一軍に上げる』という長期的ビジョンを持っているんです。結果、2007年3位の中村晃、2009年1位の今宮健太、2011年1位の武田翔太など生え抜きが着実に育っている。大卒ですが、トリプルスリーの柳田悠岐もファームが育てた。

 一方、ジャイアンツは毎年、即戦力投手中心のドラフトで、将来の4番候補といわれる高卒の岡本和真や大田泰示はファームと一軍を行ったり来たりのドタバタ起用。サードを村田修一で固定し、ファーストに脇谷亮太や阿部慎之助を使っても、3年後、5年後に何が残るのか。結局、若手が育たない穴をFAや外国人選手でしのぐしかなくなる。FAをあくまでプラスアルファと考えているソフトバンクとは根本から違っている」(同前)

※週刊ポスト2016年7月1日号

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