スポーツ

首位独走・広島ファンがおびえる「週ベの呪い」

カープを特集した6月15日発売の『週刊ベースボール』

 6月15日、広島の主砲エルドレッドが右太ももの不調で戦線を離脱した。広島ファンたちは「やっぱり『週ベ』の呪いだ……」と青ざめたという。同日発売の『週刊ベースボール』で、〈ビッグレッドマシンガンの閃光〉と銘打たれた広島カープの大特集が展開されていたのだ。

 ディープなプロ野球ファンの間で「週ベの呪い」はつとに有名だ。「表紙や特集で取り上げられたチームや選手は急激に調子を崩す」というジンクスである。

 広島には昨シーズンも「週ベの呪い」が直撃した。昨年4月13日号に黒田博樹が表紙の広島カープ大特集が掲載されると、次の登板で黒田は負け投手になり、Vのカギを握ると名指しされた長距離砲グスマンは夏場まで絶不調に。「今年こそ優勝」と下馬評の高かったカープは、シーズン終了まで低迷を続けた。

「週ベの呪い」は広島だけに留まらない。

 昨年5月11日号で「強竜復活」のテーマで中日を特集すると、エース・吉見一起がケガで離脱してチームはズルズル後退。6月8日号、交流戦スタートのタイミングで横浜DeNAの中畑清・監督が表紙に取り上げられると、交流戦から泥沼の12連敗。9月14日号では、優勝争い真っただ中の阪神を特集したが、直後に阪神は失速してCS進出も危ぶまれる状況に陥った。

 今年になっても呪いは続く。4月11日号の開幕特集では金本知憲・新監督の「超変革」阪神が表紙になったものの、4月中旬からの連敗でBクラスへ転落。巨人も5月2日号で高橋由伸・新監督が表紙になった途端、それまでの首位からBクラスへと沈んだ。

 個人にも魔の手は及ぶ。4月18日号の「新人特集」では、取り上げられた4人がすべて憂き目を見た。

 オリックスのドラフト1位、吉田正尚は、堂々の開幕一軍だったのに4月24日には腰椎椎間板症で登録抹消。横山弘樹、岡田明丈(ともに広島)、桜井俊貴(巨人)はいずれも5月までに二軍降格した。

 25年ぶりのリーグ優勝がかかった広島ファンにとって、この“呪力”は気が気ではないようだ。

「去年のこともあるし、週ベの記者さんはもう広島に取材に来ないでほしい(笑い)。2位の巨人とゲーム差はありますが、優勝マジックが出るまでは不安で仕方がありません。巨人に11.5ゲーム差をひっくり返された1996年の『メークドラマ』のトラウマが蘇ってきています」(カープファンの60代男性)

 ペナントレース以上に、今後の週ベの特集ラインアップから目が離せない。

※週刊ポスト2016年7月8日号

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン