ビジネス

団地コンビニの可能性 宅配、家事代行、ラジオ体操企画も

コンビニサービスは限りなく広がっているが……(写真:アフロ)

 コンビニエンスストアといえば、いまや弁当や日用品の物販のみならず、銀行ATM、食事宅配、行政サービス代行、処方箋薬局併設、ネット通販の商品受け取りなど、ありとあらゆるサービスを展開し、町の「万屋(よろずや)」的な存在となっている。

 そんな中、UR都市機構がコンビニ大手3社(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)と連携し、大規模な団地内への出店を進めていくと発表した。その狙いは超高齢社会への対応だ。

 いま、URが管理する団地の入居者の約4割は高齢者世帯となっており、行動範囲の狭まりから日常生活に不自由している「買い物難民」や、孤独死の問題が深刻さを増していた。

 そこで、社会インフラの機能を兼ね備えたコンビニの需要がますます高まっているというわけだ。URの発表資料でも、コンビニを〈生活支援サービスの提供拠点〉と位置付けている。

 団地内に出店するコンビニには、今後さまざまな役割が期待されている。買い物代行、商品お届けサービス、部屋の掃除まで請け負う家事代行サービスに加え、店内の飲食スペースを住民同士の集会に開放したり、時にはラジオ体操などのイベントを企画したり……。いわば団地コミュニティーを担う“究極の御用聞き”となり得る。

 コンビニ業界の専門紙『コンビニエンスストア速報』編集長の清水俊照氏もこういう。

「コンビニは出店する立地に合わせた品揃えやサービスができますし、各コンビニチェーンに設置してある情報端末を使えば、すでに家事代行サービスも気軽に受けられる時代です。

 また、ローソンが介護のケアマネジャーや相談員が駐在する店舗を導入しているように、どのコンビニも高齢者サービスには力を入れています。そういう意味では団地内への出店はさまざまな可能性が広がっていると思います」

 URとの協業では〈団地管理サービスとの連携〉も視野に入れている。

 通常、URの団地には管理サービス事務所があり、1名ないし2名の管理人がいるが、夜間や休日は不在となる。そこで、防犯・緊急時の「連絡窓口」として24時間営業のコンビニを活用できるメリットがある。こうした協力体制が確立すれば、将来的にはコンビニ店内に団地の管理事務所が置かれることになっても不思議はない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン