スポーツ

PL野球部 廃部に追い込まれた暴力事件の呪縛と教団の思惑

PL教団が野球部に与えた影響とは?

 甲子園制覇7回、春夏通算96勝を誇るPL学園野球部が“廃部”に追い込まれた。12人の3年生の中に、かつて当たり前だった特待生はいない。いわば普通の高校生である彼らはこの1年、「超強豪校の最後の部員」の看板を背負う重圧と戦い続けてきた。

 PLに起きた異変を2年にわたって追いかけてきたノンフィクションライター・柳川悠二氏が、「最後の夏」への軌跡をレポートする。ここでは、PL学園の母体となるPL教団の現状が野球部に与えた影響についてだ。(文中敬称略)

 * * *
 野球部はPL教団の広告塔的役割を色濃く担ってきた。「人生は芸術である」を処世訓に掲げた2代教主・御木徳近は、野球を愛し、野球で甲子園を目指すことが世界平和に通じると説いた。

 1978年夏の甲子園で、逆転に次ぐ逆転で勝ち上がったことから、「逆転のPL」が野球部の代名詞となった。たとえリードされた展開でも、しきり抜いて、一プレーに集中する。そうして初めて全国制覇を達成した。

 1983年に徳近が鬼籍に入った直後、入学したのが桑田真澄、清原和博のKKコンビだ。5季連続で甲子園に出場し、2度の全国優勝を達成。同時期、教団は最盛期を迎え、公称信者数は240万人に達した。

 全国の信者のネットワークを駆使して、有望選手の情報を集め、セレクションを行ったのもその頃だ。

 初優勝した時の捕手で元阪神の木戸克彦はこう話す。

「プロ顔負けの練習環境がPLにはあった。グラウンドの横に寮を作ったのも、当時は全国の学校の先駆けだった。その伝統に誇りを持っているけれど、悪いことも続けたからね……」

トピックス

大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト
盟友・市川猿之助(左)へ三谷幸喜氏からのエールか(時事通信フォト)
三谷幸喜氏から盟友・市川猿之助へのエールか 新作「三谷かぶき」の最後に猿之助が好きな曲『POP STAR』で出演者が踊った意味を深読みする
週刊ポスト
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
NEWSポストセブン