芸能

午後ワイドなら『ミヤネ屋』といわれる強さの秘密

10周年を迎えた『情報ライブ ミヤネ屋』(公式HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、スタートから10周年を迎えた『情報ライブ ミヤネ屋』の圧倒的な強さの秘密を探る。

 * * *
 06年7月にスタートした『情報ライブ ミヤネ屋』(以下、『ミヤネ屋』の10周年を記念し、29日、大阪市内のホテルで記念パーティーが行われた。

 司会は番組アシスタントの林マオアナウンサーと藤村幸司リポーター。その二人が宮根誠司さんを呼び込み、場内にEXILEの『RISING SUN』が大音量で流されると、露払いとして、まず扉から出てきたのは、宮根さんとの“不仲”がネット上で度々取りざたされるフロアディレクターのI氏だった。

 続いて宮根さんが場内を埋め尽くした番組スタッフに会釈をしながら入場。東京から駆け付けた20人ほどのコメンテーターが座る席にまた深々と頭を下げながら回り、そこから“お開き”になるまで、宮根さんはほぼ立ちっぱなしだった。

 当初は関西ローカルだった『ミヤネ屋』の前身は宮根さんがMCを務める『激テレ★金曜日』だった。

 在阪のライバル局、朝日放送の人気局アナから04年3月、フリーに転身した宮根さんを読売テレビ幹部が口説き落として、連れてきたのである。

 と言っても、当初はまだ朝日放送の看板番組『おはよう朝日です』のMCを務めていた宮根さん。読売テレビでの週に一回の出演でさえ、生放送をキープできず、前日の夕方に収録せざるを得ないこともあった。

『激テレ★金曜日』の放送期間は05年11月〜06年7月までの9か月間で、その後、月〜金帯の『ミヤネ屋』がスタート。10周年記念パーティーでは、記念すべき第一回のVTRがスクリーンに映し出されたのだが、そこには、いまほど“シュッ”ともしていなければ、かなり緊張もしている宮根さんが居た。

 しかもオープニングの最初のコメント「いよいよ」を「いやいよ」と噛む始末。脇を固めていた女子アナも、同局のベテラン、植村なおみアナと当時新人だった虎谷温子アナと、やや地味な布陣だったのである。

 翌年10月からは日本テレビとテレビ信州を除いた系列局でもオンエアされるようになり、そのまた翌年、全国ネットとなり、いまに至る。

 いまでこそ、関西より関東のほうが高視聴率なのだが、当初は関西発のワイドショーがどこまで東京で受け入れられるのか、読売テレビ幹部はもちろん、宮根さん本人も心配していたと聞く。

 ローカル時代、視聴率2%台が出ていたことがグラフになって、スクリーンに映し出されていたが、そこからスタッフ、出演者一丸となって知名度アップを心掛けたり、150人体制でフットワークの良い、きめ細やかな番組作りをしてきた結果、視聴率は徐々に上昇。やがて同時間帯トップとなっていくのである。

 そういえば、その頃、宮根さんはしょっちゅうロケに出ていたし、大阪のオバちゃんの扮装をしてコントのようなことにもチャレンジ。フルマラソンを走ったり、同局の『鳥人間コンテスト』に出たりもしていた。すべては「『ミヤネ屋』の宮根誠司」をアピールするためだった。

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