──でも、違法な薬物を使用する例も出てくるのではないでしょうか? 麻薬とか覚醒剤とか。
高須:基本的にドーピングで使われる薬は医療で使われるものがほとんどだから、その心配はあんまりないと思うけどね。そこの規制は組織委員会ではなくて、警察がやるべきことだし。それでも問題が出てきそうなら、製薬会社をオリンピックのスポンサーにして、その会社が出している薬だったら使い放題っていう感じにしたらいいんじゃないの? スポンサーも儲かるし、良いでしょ(笑い)。
──ただやっぱりドーピングによる健康被害も気になりますよね…。
高須:そもそもオリンピックとかプロスポーツそのものがアスリートの健康を害しているっていう見方もできるんだよ。みんな「スポーツ心臓」になってるはずだし。いろんな無茶をやって体を鍛えているんだからね。オリンピックとは違うけど、相撲だってそう。あんなにたくさん、ちゃんこを食って無理やり体重を増やして健康に良いわけがない。ちゃんこがドーピングにはならないんだったら、ホルモン剤を打ったってドーピングにはならないよ(笑い)。
──だいぶ極端な話ですが、たしかにどこまでがドーピングでどこまでがルール内なのかっていうことは難しいですね。
高須:さっきのゴルフの話じゃないけど、スパイクとかユニフォームだって本当だったらないほうがいいんだよ。そこで差が出るんだからね。だから、究極に公平なオリンピックをやりたいんなら、素っ裸で競技をするべき。優勝したら、全裸に月桂冠だね(笑い)。
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「ドーピング完全解禁」の何でもありオリンピックを開催すべきだとの持論を展開した高須院長。いろいろと問題ありまくりでさすがに実現は無理だと思われるが、絶対に誰もが見たいと思うオリンピックになることだけは間違いないだろう。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)など。